同人活動においてはエアプという言葉は、原作を見ていなかったり、原作がゲームの場合は未プレイで二次創作をすることを言います。昔も今も、そういう人は存在します。
私は2000年前後あたりの頃に、格闘ゲームにハマって二次創作もしていました。
当時の格闘ゲームは同人ジャンルとしても人気がありましたが、勝ち進んでストーリーを見るためにはある程度の腕前が必要で、RPGなどと比べるとプレイするハードルが高いものでした。
私の反射神経は本当に終わっていて、とても格闘ゲームをプレイできるような身体能力は無かったはずでした。それでもキャラに惚れた弱みで死ぬほど練習して、自力でエンディングを見られるようになり、そのまま二次創作もするようになりました。愛のパワーは凄いと実感した思い出です。
当時の格闘ゲームジャンルには、私のようにゲームを練習してできるようになって同人活動している人もたくさんいましたが、中にはゲームをプレイせずに同人誌を作る人もいました。
昔の私は、ゲームに触らずにゲームの二次創作をするのは言語道断というか、それでどうやって二次創作するんだ?と思っていましたので、エアプ作家にはとてつもない嫌悪感を抱いていました。
ただ格闘ゲームに関しては、そもそもゲーム自体の難易度が高いので、ゲームはクリアできなくてもキャラが好きで、設定資料集などを買って二次創作をするのも一応納得はできます。
昔の私はそれでも決して許さない派でしたが、今は仕方ない部分もあるかなと思えます。
だけど現在はもっと酷くなっていて、読むだけの漫画や見るだけのアニメでも、無料で操作も難しくないソシャゲでも、原作に触れもしないで二次創作をして、しかもエアプであることをわざわざ公言して叩かれている人が出てきているようです。これはさすがに年寄りには理解不能です。
流行ジャンルを扱って注目されたいけど、原作に愛は無いということも確かにあるでしょう。
だったらエアプだということは黙っていたほうが良いのでは?何の自慢にもならないことです。
私が引退した後もいろんな話が入ってきますが、この先もきっといろいろ出てくるでしょう。
エアプ二次創作を嫌う人は、心から原作が大好きで「ちゃんと公式の作品に触れた上で二次創作をして欲しい」と願うからこそ、エアプ作家に対して本気で怒るわけです。
昔の私もまた、そういう気持ちでエアプ作家を撲滅したいと思っていました。
ですが同人を引退した今の私は、エアプは良くないという感覚は持っていても、エアプで二次創作されてマジギレするほど情熱を傾けている作品ももう無くなり、これらの話題もすっかり他人事になってしまいました。昔だったら烈火の如く怒っていたはずのことにも、今は心が動きません。
心が穏やかになったのは良いことですが、そのぶん空虚になったと感じる時もあって、でもそれで今は平和だから、これでいいのかなという心境です。
もし今後再び、同人と同じくらい夢中になれるものができてしまったら、またその界隈で気に入らない人を叩いたりする可能性があります。
私の今の年齢でそれは痛すぎるので、ちょうど熱が冷めたのも運命というか、もう落ち着けという神様からの警告と考えています。私の本気の情熱は危険すぎるので永久封印です。
コメント
ヒロコさん、こんばんは。いつもブログを楽しみに読んでいます。
私はゲームが原作のジャンルで二次小説を書いています。エアプで二次創作は私も「あり得ない」と思っています。それをわざわざ公言するのが理解に苦しみます。「未プレイだけど作品愛はある」と主張する人が受け入れられません。
今活動しているジャンルにも一部エアプ勢がいますが、ミュート案件です。一切触れない目にいれなければ心は平穏です。
エアプ二次創作の違和感やエアプ勢への怒りの感情は、自分の小説を書く原動力の一部になっています。ゲームをプレイして溢れかえる想いを小説にし、それでエアプ作品を叩けばいいと思っています。
こういった強い感情も二次創作熱や作品への情熱が落ち着けば、無くなるのかもしれないですね。ヒロコさんは寂しいと仰いますが、心が平穏な状態はとてもいいことだと思います。二次創作をしていても、していなくてもストレスを感じないで穏やかでいられるのが一番です。
>Kさん
こんばんは。私も「未プレイだけど作品愛はある」と主張する人は心から意味不明です。
エアプ勢を擁護するためにこう言う人は昔からいましたが、本当にわけが分かりません。
きっと、作品や同人活動に対する考え方が根本的に違うのだと思います。
言葉も心も通じない別の生き物だと思うしかありません。
私の今の生活って、熱くなれるものが無いこと以外は本当に何の不満も無いのですよ。
熱い想いを失った喪失感は大きいけど、もともと無趣味な人はこれが普通だというなら、いずれ慣れるかもしれませんし、1度の人生で両方を経験できてラッキーなのかもしれません。
一方、現役時代は、熱い想いがあるせいで、そのぶん苦しみやストレスも多かったです。
負の感情を持たずに創作活動できる人も中にはいるのかもしれませんが、私は、何かを強く好きになればなるほど、解釈違いや反対意見は絶対に許せませんでした。でも、その怒りが生きる活力になっていたのも確かで、どうなれば一番良いかの結論はまだ出せないでいます。