イラストの話

イラストで大昔に流行っていた表現について

私が十代から二十代くらいの頃、以下のように外側の輪郭線を太くして目立たせる描き方をよく見かけたなと思い出して、久しぶりにやってみました。

令和の若い絵師さんはこんなことしませんよねーと思いつつ、私は令和の若い絵師さんのことなど何も知らないため、真相は不明です。私は自分の年相応の絵(基礎画力が年相応ではないのでいろいろ台無しですが)を目指しているのでこれでもいいけど、やはり古い表現ではあると感じます。

ちなみに、外側の輪郭線を太くしない場合はこうなります。これでも別にいいと思います。

外側の輪郭線を太くする描き方が、どうして一時期流行っていたのかと考えると、やはり、画力が無くても手っ取り早く「纏まりのある絵」に見せることができるからかもしれません。
今の時代にこれをやるとしても、やる理由はそれだよなと思います。

そう言えば、オヴァ絵の象徴みたいに語られるエアブラシ塗りも、あれは立体物をきちんと描けない人でもエアブラシで何となく影っぽいものを付けて立体的に見せている風の表現ができたので(実際に立体的になっているかは別の話)昔やっていた人が多かったのだと思います。

私も、デジタル絵を始めたばかりの二十代の頃は、エアブラシを無駄に多用していましたが、冷静に考えたら、あれで「影を付けた」気になっていたことこそがヘタレの証拠なので、正確な立体をきちんと描けるように練習したほうが絶対に良かったです。まあ私にそんな根性は無いのですが。

やはり、多くの人が手を出す(流行る)のは「誰でも簡単にそれっぽくできる」手法であり、本当に厳しい練習に耐えられるのは一握りの人だけです。二次創作をしていた頃の私は、妄想に夢中で何も考えていなかったけど、引退後にいろいろなことに気付いて自分でも驚いています。

画力に自信がある人は、お手軽な手法に頼らないようにするだけで、他との差を見せつけることができるかもしれません。私は引退しているので、お手軽で懐かしい手法も使いますが、エアブラシ多用のほうは、さすがにもうやらないかなと思っています(個人の感覚)

これ以外にも何か「昔やっていた人が多かったけど今は古い」表現ってあるかなと、私の子供時代を必死に振り返ってみましたが、脳が衰えているため今は思い出せません。

コメント

  1. ちさき より:

    こんにちは、ちさきです。
    以前はコメントに丁寧なご返信をありがとうございました。

    今回描かれたイラストがとても可愛らしくて、しかしヒロコ1号さんの仰る古い表現を私は感じなかったため(私も30代なので、もっと若い方だとどう感じるかは分かりませんが)またコメントをさせていただきます。
    水着の女の子とタコさんの仲良く涼しげな雰囲気がとても素敵です。目に入った瞬間「わあっ」と気分が上がりました。

    ヒロコ1号さんの描かれるイラストは、ご自身の良いところを分かっていらっしゃって、その良さを生かされているなと感じます。
    細かい描き込みなどはないのかもしれませんが、画風にとても合った塗り方と色使いのセンスがあって、他のイラストも拝見したことがありますが、構図なども凝っていらっしゃって目に入った瞬間に引き込まれます。
    確かに流行りの絵柄ではないのかもしれませんが、古いとも感じませんし、絵柄に合った表現であれば、現在あまり見ない描き方だったとしてもネガティブな感想(絵柄が古い、ダサいなど)は抱かないのだなと思いました。

    素敵なイラストを見せていただきありがとうございました。

  2. ヒロコ1号 より:

    >ちさきさん
    こんにちは。イラストの感想ありがとうございます!
    二次創作をしていた頃によく頂いていた感想は、話やネタが面白いというものが多くて、絵に関してはほぼ「かわいい」くらいしか言われなかったので、塗り方などに言及してもらえたのは珍しいことです。色は、その時思いついた色を自由に塗っています。

    私は今も昔も、流行っている絵柄をソックリそのまま真似することは無く、小学生の頃からほぼ自己流で描いてきました。でも、小学生の頃から変わらないということは、これは四十年前の絵柄で古いということでは?とも思います。いかにもなオヴァ絵には見えないとしたら有難いことですが、オヴァ絵だとしても、もう私自身がオヴァなので全然気になりません。

    自己流かつ面倒くさがりなため、細かい描き込みはタイパが悪いと小学生の頃から思っていました。できるだけ面倒くさくない手順で、少ない描き込みで最低限見られるものを…みたいな描き方なので、描き込みが多いほど素晴らしいとか流行を追うべきと考える絵師さんとは相容れませんでした。これも引退後の今は良い思い出になっています。

  3. こんちゃ より:

    すみません このブログはいつも とても 楽しみにさせて頂いております

    >本当に厳しい練習

    これが とても 気になり コメントさせて 頂きました

    私は「模写」が 何気に かなり厳しい練習だと 感じます
    管理人様の思う 本当に厳しい練習が 気になってしょうがないです!

  4. ヒロコ1号 より:

    >こんちゃさん
    はい、私も「模写」は、めちゃくちゃ厳しい練習だと思います!
    子供の頃に挑戦してみましたが、全然できなくて速攻で諦めました。

    あとはデッサンの練習とか、上手い人は「ジェスチャードローイング」というものをやっていると風のウワサで聞きましたが、私には無理ですね。そもそも「模写」と「デッサン」の違いも私はよく分かっていません。きちんと練習している人は偉いです。

  5. こんちゃ より:

    >ヒロコ1号 さん

    ご返信、ありがとうございます

    このブログでは勇気づけられる記事が多くて嬉しいです

    「本当に上手くなる人は黙って上手くなる」

    これは本当に至言だと思いました
    実際見ていても1年2年で上達する人は
    毎日休み無く8時間12時間と何時間も描いていました(模写も)

  6. ヒロコ1号 より:

    >こんちゃさん
    模写なども、一日だけ頑張っても意味が無くて、それを毎日休まずに続けないと上手くなりませんよね。練習自体も大変ですが、その練習を画力が変化するまで続けるのは、もっと大変なことです。これが私の思う「本当に厳しい練習」です。

    上達している人は、他の人が想像しているよりも、ずっと長い時間描いていますよね。
    それなのに、練習していることをあまり人にアピールしないという共通点もあります。

  7. こんちゃ より:

    >ヒロコ1号 様
    本当に 「継続は力なり」
    結局 報われるのって 根負けしないで
    何年も泥臭くて面倒でしんどい努力を続けてきた人なんだなと 同人界隈に既に長く居ますが
    ようやく この真理がわかってきてた気分です

    これからも 創作や向上に関する意見や見解が楽しみにしています!

    ありがとうございました

  8. ヒロコ1号 より:

    >こんちゃさん
    私は、苦しいのが嫌で努力を放棄した側なので、役に立つ話はできませんが、気楽に絵を描いている立場からの話は、これからもしていこうと思います。ありがとうございました。

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