同人活動の思い出/同人サイトのダミーエンターは昔のちょっとアレな風習

サイトの入口って、普通は「入口」「ENTER」みたいな文字やボタンがあって、それを押せば中に入れますが、昔の同人サイトの中には、それでは入れない所もありました。

最初に長文の注意書きがあり、その下にいかにも入口らしきリンクがあるけど、そこで注意書きを読まずにリンクを押すと「Yahoo!」などの検索サイトに飛ばされたり「注意書き読めよ!」と怒られるページに飛ばされたりします。
そして本当の入口は、他の分かりにくい場所(注意書きを全部読めば分かる)にあるのです。

これを「ダミーエンター」と言い、昔の同人サイトではそこそこ見かけました。

注意書きは「〇〇(ジャンル名)の同人作品です」「男性キャラ同士の恋愛描写があります」「イヤな人は見ないでください」などのお決まりのものに加えて、入口のヒントが書いてあり、これを全部きちんと読んだ人だけがサイトに入れる仕組みでした。

昔は、二次創作というのは「同人を知らない人に間違って見られてはいけないもの」という認識でしたので、ネット上にあるサイトとは言え、同じオタク以外はそう簡単には入ってこられないようにしていました。ダミーエンターも、その対策のひとつでした。

そういう「一般人避け」のためにするのなら分かるけど、中には「私の作品はそう簡単には拝ませないぜ」的な上から目線でダミーエンターにする人もいました。
まあ、そういうことをする人ほど、作品はたいしたことない場合が多いのですが。

あと、注意書きを読まずに入口のリンクを押して「注意書き読めよ!」と怒られるページに飛ばされた時に、そこに書いてある罵詈雑言がものすごいサイトもありました。見に来た人の心を完全に折るレベルの罵倒の数々は、いっそ清々しかったです。注意書きを読んで欲しいというよりも、人を罵倒するのが楽しくてやっているのではないかと思うほどでした。

昔は、ダミーエンターの注意書き以外にも、通販や掲示板などのマナーについて怖いくらいうるさい人というのが一定数存在していました。今の時代はSNSが無法地帯すぎて、マナーの話なんて誰も耳を傾けなくなったので、そんな人もあまり見かけなくなりました。
良かったのか悪かったのか、かなり複雑な気分です。

私自身は、確かに同人を知らない人に同人サイトを見られるのはイヤでしたが、ダミーエンターに対しては「やりすぎ」「感じの悪いもの」というイメージを持っています。

見に来た人が引っかかっても引っかからなくても、サイトに対する印象は悪くなると思うから、自分のサイトの入口をダミーエンターにしたことは一度もありません。
同人サイト特有の注意書きはしていますが、普通に分かりやすい入口にしています。

それに今は、そこまで必死に一般人を避けなければいけない空気でもないので、昔のような「絶対に見られてはいけない!」という意識も薄くなってきました。これは良い悪いの問題ではなく、今はそういう時代なのです。ダミーエンターもすっかり過去の遺物となりました。

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コメント

  1. 匿名R より:

    ヒロコさん、こんばんは。
    裏サイトを簡単に見つけられないようにする
    ダミーエンターはサイト全盛期にはよく見かけました。
    また、裏サイトへの入口を見つけてもサイト管理人に
    裏サイトのアドレスまたはパスワードの請求をしないと見れない
    裏サイトも結構ありました。
    ただ請求制の裏サイトはよっぽど悪質なメール以外は
    どのサイトの管理人さんも
    請求した閲覧者全員に教えていた印象です。

    裏サイトではないのですがサイト管理人が某有名声優本人から許可をもらって作った
    公式に近いファン交流サイトがこの裏サイトの入口探しのような入口を作っていて
    ダミーエンターだと注意書きを読め!と同時に注意書きの中身が閲覧者への
    罵詈雑言だった事を思い出しました。
    おそらく自分もその某有名声優と一緒に仕事をする人間だと
    大いなる勘違いをしたとしか思えません。
    その勘違いサイトはいつの間にかネットから消えて
    某有名声優本人が公式ブログと公式ツイッターで
    ファンとの交流兼自分の仕事の告知をしています。

    表サイト内に裏サイトへのリンクを貼っているものは
    サイト内をしっかり探れば時間がかかっても
    裏サイトへ行けましたが
    一番悪質で管理人本人の底意地の悪さを感じたのは
    裏サイトへ行くヒントを
    サイト内に書いてはいるけれども
    ネットに関する知識があまりない人には
    ものすごくわかりにくいヒントで
    おまけに裏サイトへの問い合わせには一切応じないと宣言するうえに
    裏サイトのリンクそのものをサイト内には貼っていませんでした。

    その裏サイトは表サイトのリンクページの中のソースに書いてあるのを
    私は見つけたので裏アドレスをアドレス覧に入力して問題なく閲覧できましたが
    閲覧者の中には裏サイトを見つける事を
    あきらめたようなコメントをする人や管理人にもう少しわかりやすい
    ヒントを下さいと言う人が結構いました。

    ヒロコさんがおっしゃるように
    閲覧者に対して上から目線の管理人の裏サイトの作品の質は
    確かにショボいものが多く
    最近になってその上から目線の管理人は
    表裏サイトにあるものも含めてpixivに作品を再アップするようになりました。
    ツイッターやpixivのほうが閲覧者が少ないサイトよりも
    手軽に作品を読んでもらえるし
    フォロワー達からチヤホヤされて快感なのだろうと思います。

    ヒロコさんがブログで何度もお話されているように
    SNSをしていない閲覧者の立場を一切考えずに
    言いたい放題やりたい放題で自分のした事に罪悪感を感じない
    言語能力の低い同人人間が
    SNSを使いこなしている感じがします。
    最近になって知ったのですが、言語能力の低い人間は自分が上から目線で
    発言している事に全く気づいていないので周囲が注意しても無駄という事を知って
    なるほどなと思いました。

  2. ヒロコ1号 より:

    >匿名Rさん
    こんばんは。そうですね、請求制だったりソースにアドレスが書いてあるパターンもありました。請求メールを送って裏ページのパスワードを教えてもらったのは懐かしい思い出です。
    ソースに書いてあるものは、私はとりあえずソースを確認するクセがついていたので問題ありませんでしたが、ソースを見るという発想が無い人には難しいでしょうね。

    某有名声優さんの件は、たとえ管理人が声優さんと対等の立場だったとしても、閲覧者へ罵詈雑言を書くのは声優さん本人のイメージダウンにも繋がるので、普通に全方位に迷惑です。
    あと、作品を裏ページに隠すのは、隠す理由があるからそうしているはずなのですが、後からピクシブにアップしてしまっては何のために隠していたのか意味が分かりません。

    結局かまって欲しくて作品を見やすい場所にアップしてしまう人は、隠さなければいけないから隠していたのではなく、閲覧者から「見たい」と言われたかったり、自分が閲覧者より優位に立ちたいから裏ページを作ったのではと思ってしまいます。そして、そういう経緯でアップされた作品は、どのみち作者が期待するほどの反応はもらえないものです。

    SNSも冷静な人は問題を起こさず普通に使っていますが、とんでもない人間をあぶり出してしまうのもまたSNSです。上から目線も含めて他人を怒らせる発言をして炎上している人は、自分が悪いことを言ったと理解していないのですね。意図的な炎上商法(無自覚よりはこちらのほうがマシです)か、言葉の通じない別の生き物だと思って無視するしかないのですね。