同人活動の思い出/気に入らない感想をもらった時にどう対応するかで、作者の器が試されるという話

昔の同人サイトの掲示板や、ピクシブなどの公開コメントで、書き込まれた感想に作者が返信しているのを見に行くのも、ネットサーフィンが大好きだった私の日課でした。
もらって嬉しい感想と嬉しくない感想があるというのはよく聞く話ですが、感想に対する返信だってクオリティの差はあるよなと、昔から思っています。

とは言え、大抵のやり取りは普通に楽しいまま終わるので、何も問題はありません。
もし気に入らない感想をもらってしまっても、表向きは穏便に返信する人が多いと思います。

でもたまに、気に入らない感想をもらって怒りを抑えきれず、大っぴらに文句を言う人を見かけることもありました。特に自分から「感想ください」と言っておいてそのザマだと草も生えません。

明らかな誹謗中傷にはまともに対応する必要はありませんが、私が過去に見てきた限りでは、文章は下手だけど悪気は無いと思われる感想も文句を言われていることもありました。

悪気の有無の判定は私の勘でしかありませんし、どこまでが「感想」「意見」で、どこからが「誹謗中傷」「荒らし」と感じるかも、人によって違います。それでも自分から「感想ください」と言っている場合は、もう少し好意的に解釈して優しく返信すればいいのにと思っていました。

まだSNSが無かった大昔の話ですが、私の嫌いな描き手であるKさんのサイトの掲示板に、やや的外れな感想の書き込みがありました。
私はそれを見て「書き方は下手だけど悪気は無さそうだし怒る内容ではない。でもKは愚かだから怒りそうw」とヲチしていたところ、案の定Kさんはキレて怒った返信をしていました。

その時怒られていた人は私のサイトにも感想をくれましたが「他のサイトで怒られてしまった」という感じのことも書いていたので、私は返信するついでに慰めの言葉もかけました。
本当は一部始終を見ていましたが、全然知らなかった風を装って対応しました。

その後、私がジャンルを撤退する時に、その人から「あの時はKさんに怒られて落ち込んでいましたけど、ヒロコさんが優しくしてくれて救われました」という旨のメールが来ました。

なら良かったわ!じゃあな!(・ω・)ノシ と、私はそのジャンルを去りましたが、実際は私も聖人ではないので許容範囲を超えれば当然キレます。でもこの思い出話と同じように、もし私にキレられて暴言を吐かれても、他の人のところへ行けば癒してもらえる可能性があります。

ただ、普通の見る専の人に「怒られたら今度は別の人に突撃しろ」という過酷なチャレンジをさせるのは、できれば避けたいところなので、感想を受け取る側は、頑張って自分が最善だと思う返信を考えたほうが良いのは確かです。それでも悪い結果になってしまうことはありますけどね。

横暴な態度でも許されるのは、作品が神すぎて多少のことは何とかなる神作家だけです。
それ以外の人が継続して感想をもらえるかどうかは、作品以外の部分(読者や感想に対する姿勢)も関係あるのではないかと、私は同人をやめて数年後に気付いてしまいました。

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コメント

  1. さく より:

    いつも楽しく読ませていただいております。
    どういう感想が喜ばれるか、人によっても違いますし難しい問題ですね。頂くことも差し上げることもありますが、自分は大抵の場合頂ければ何でも嬉しいと感じる人間なので、明らかな誹謗中傷でもないのに文句を言う方には驚きます。逆にどう返せばこれだけ喜んでます、という気持ちが伝わるのか悩みに悩むくらいなのですが、沢山の感想を貰う方にはそういう方なりのストレスがあったりするんでしょうね。
    差し上げる場合、長過ぎたり熱が入り過ぎたりすると気持ち悪いかな、と考えてしまってブレーキがかかった結果、好きだの可愛いだの萌えただのと語彙力の無い感想に終始することが多いです。感想が得意だと書かれている記事を拝見した時には、とてもうらやましく思いました。
    感想を送るというのは、作品を作るよりよほど大変なのではとつくづく思います。多少的外れでもその手間と好意を穏やかに受け止めれば良いものを、一部の方は読み手に期待し過ぎているような気がします。

  2. 通行人 より:

    私も人のコメントのやり取りを眺めるのが結構好きなので、
    今回の記事には共感や思うところがありました。
    本当、何が人の琴線や地雷に触れるかわかりませんね…
    作者と読者の数だけ色々な作品や感想が存在しているなと思います。
    個人的な気づきですが、ラブラブな話・泣ける話を書く人、
    積極的に交流をする人が感想をよく貰っている印象です(私の好きなジャンルは、ですが)
    シリアスな話や、あまり交流をしない人の作品は、評価やブクマは多くても
    コメントは無いことが多いです。感想を送りづらいのでしょうかね…
    以前感想を送った時にそっけない返信をされ、なんだと思っていたら
    口下手なだけで善い人だったことがあるので、そういう方はもったいないなと思います…
    好意的な返信をする方だと思ったらSNSで人間的に…という逆の場合のショックも一塩ですけどね(苦笑)

  3. ヒロコ1号 より:

    >さくさん
    こんばんは。私の現役時代は、中には内心喜べない感想もありましたが、全体から見れば100個に1個くらいの割合でしたので、あまり気にせずにいられました。数が少ないのに的外れな感想ばかりだとストレスがたまるのかもしれないけど、読者はそんな事情は知りません。
    特に公開返信の場合は、他の人たちにも見られていることを忘れないで欲しいですよね。

    感想を送る側になった時の話ですが、多くの作者さんは作品だけでなくそれに付随する萌え語りも発信しています。推しのどういう所が好きかとか、自ジャンル以外に好きな作品とか…現役時代の私はそこから「こういう嗜好の人がこういう作品を描いたということは、この人がこだわっている点は…」と考えて感想を送るというのを無意識にやっていました。

    読みが当たると「そう!そこに注目して欲しかったんです!」と感謝されました。
    長すぎず短すぎず、相手が引かない程度に熱を込めて、一般的な言葉(好きとか萌えとか)も伝えつつ、その作品でしか言えないような言葉も添えるとあまり失敗しないと思います。

  4. ヒロコ1号 より:

    >通行人さん
    こんばんは。昔の私は同ジャンルや同カプの人たちの動向をよく見ていたので、いろんなものを目撃しました。それを知られてしまうとキモイと思われそうなので黙っていましたが。
    感想は人それぞれだと考えると、安易に「感想ください」と言うのは、望まない感想が来る可能性もあるわけで…ちゃんと「私が喜ぶように褒めてください」と言わないとダメですね。

    現役時代の私の作品は、スキマ時間には4コマや1ページギャグを描き、シリアス物は原作のシリアスな設定を使った泣き話で、カップリング物は全年齢向のラブラブで稀にエロでした。
    交流相手からは、ラブラブと言うよりメリーバッドエンドだよとも言われましたが…週に1度は何かをアップしていたので、更新頻度も高いほうが感想をもらいやすいと思います。

    返信上手な人は読者から見れば好印象かもしれませんが、決して人格者とは限りません。
    だからこそ、SNSでもボロを出さないように頑張れと、私は外野から応援したいです。
    外面と内面が必ずしも一致しないのは、文章のやり取りに限らず世の常ですけどね。

  5. 通りすがり より:

    ヒロコ1号さん、こんばんは。
    丁度今回のテーマと被る出来事があり、自分語りになってしまいますが、コメントさせていただきます。
    先日出した本に感想に、ブログに書いた記事を自分の事と受け止めて私が悪いのでしょうかetc、と本の感想とセットでDMで貰いました。簡単なお礼とそんなつもりはないと当たり障りのない返信をしましたが、その人の事は殆ど知らないし思い込み激しすぎて、過去にもそんな人に何人も当たってしまったのでうんざりしています。ツイッターはかなり縮小して宣伝メインにしてますが自分の事を認知してほしいのか理解不能です。
    先日のYouTubeの記事にも書かれていたように、認知しない軽いものが一番いいなと思うのに、こんな人にはどうしたらいいんでしょうか
    疲れました

  6. ヒロコ1号 より:

    >通りすがりさん
    こんばんは。そうですね、まず、DMで送られてきただけまだマシと考えてください。
    他の人にも見えるようにリプで送られる可能性だってありますので、それよりはマシです。
    相手の方がそれ以上何も言ってこないなら、そのまま気にせずにいればいいと思います。

    通りすがりさんのブログの記事を相手の方が読んで「私のことを怒っているのかも?」と考えてしまったということだと思いますが(違ってたらすみません)文章をネットに公開している限りは、いろんな人がいろんな解釈をするのが当然です。相手の方は確かに自意識過剰っぽいですけど、過去にもそんな人が何人もいるというのが気になりました。

    叩かれても恨まれてもいいという覚悟があるなら、キツイ事を書いてもいいと思います。
    でも、そうでないなら、同じ内容でも読む人に誤解を与えない表現にすると良いでしょう。
    また同じようなことを言われたら「変な人に絡まれた」と思うのではなく「ただ質問に答えるだけ」という姿勢で否定すればいいです。それで終わるならもう気にしないでください。

  7. 通りすがり より:

    ヒロコ1号さん、吐き出しに近いぼやきに返信ありがとうございます。
    そうですよね。不特定多数が閲覧する事をもっと意識してブログは書いていきたいと思います。ブログ始めたのは最近で、色々あったのは主にツイッターでしたのてもう辞めどきかもしれません。原稿を書きたい欲だけは消したくないので創作だけに集中できるよう環境を整えて行こうと思います。
    同人絡みで悩んでたときにこちらのブログの記事で救われた事もたくさんありました。
    これからも楽しみにしています。
    重ねてですが、ありがとうございました。

  8. ヒロコ1号 より:

    >通りすがりさん
    実を言うと、作品以外の語り(ブログなど)やちょっとした普段の言葉使いによって、周囲に集まる人間のタイプも変わってきます。鬱陶しいことを言ってくる人によく出会ってしまうという場合は、自分の文章がそういう人を呼び寄せている可能性もあります。具体的にどうすればいいかは説明しにくくて、経験から来る勘で分かるとしか言いようが無いのですが…

    まあ今の時代は、ツイッターから離れさえすれば一気に平和になりそうですけどね。
    原稿を書きたい欲だけは、何としても死守してほしいです。ツイッターは実際にやめてから気付くこともたくさんあると思います。快適な創作環境を作れるよう、応援しています。

  9. かむなぎ より:

    ヒロコ1号さん、こんばんは。
    今回の記事もいろいろと考えさせられました。貰える感想への対応の仕方には、確かに受け取る側の器が見えるかもしれません。

    好きなジャンルのサイト訪問をする際、私もコメントに対する作家さんの返信を読む(ヲチる)のを楽しみにしています。作品と同じぐらい、返信には、作家さんの人となりが現れているような気がします。

    以前好きだったジャンルの作家さんはサイトの拍手コメントへの返信を丁寧に日記に書くというスタイルでした。(私は拍手を押すだけで、コメントをする勇気がなかったです)
    ある日、その作家さんは貰った拍手コメント(批判的な内容)が気に入らなかったらしく、日記の中でそのままコメントをコピペした上に、気に入らなければサイトに来るなと啖呵を切っていました。コメントは確かに批判的でしたが、「キャラのこういった展開の作品がみたい。これからも応援しています」という書き方をしていて、決して悪気はなさそうな様子でした。少なくとも荒しではなかったです。

    成敗された閲覧者さんが、その後そのサイトに訪れていたかは定かではありません。でもその作家さんは、サイトの注意書きのページに再びコメントのコピペを載せて、こういったコメントを書き込む人はブラックリストに載せてアク禁すると息巻いていました。

    ここまではありがちな件で、私もお気の毒だなぐらいに思っていたのですが、この作家さんは、その後もしつこくツイッターで愚痴を吐く日々が続いて、非常に見苦しかったです。もともと拍手コメントは匿名性の高いものなのに、貰ったコメントが気に入らなければその内容をサイト上やSNSで晒すというやり方もスマートではなく、スルーすればいいのにと残念に思いました。その件があって以来、その作家さんが嫌いになって、作品もジャンルも嫌いになりました。ツイッターも大嫌いになりました。

    批判的なコメントをした人は、悪気はなさそうでした。サイトを管理している今、私ならどう対応するだろうかとずっと考えている案件です。ヒロコさんの記事を読んで、どんな内容にせよ、貰ったコメントに対して誠意は必要だなと思いました。でも私自身、あまり感想を貰えることがないので、閲覧者さんからは、感想を送りにくいと思われていると思います。サイトにはメールフォームだけで、コメント欄も拍手も置かずにいるので仕方ないですね。
    あまり貰えることのない感想に、先走って悩んでいることが自分でも滑稽です。

  10. ヒロコ1号 より:

    >かむなぎさん
    こんばんは。かむなぎさんのお話に出てきた作家さんは、そこまでしてしまうと、たとえ貰ったコメントが完全な誹謗中傷だったとしても、その作家さんのほうが痛々しいですね。
    ましてや、客観的に見て「批判的だけど荒らしではない」程度のコメントを晒したのなら、他の人は「え…これってそんなにキレるようなコメントかな?」とドン引きします。

    本来なら作家さんとコメント主さんの間だけのトラブルで済んだことなのに、コメントを晒したせいで、それを見た人全員が心の中でどちらが悪いかを判定することになります。
    それで、もしコメントの内容が本当に悪くても、だからと言って「拍手コメントを2回もコピペして晒してツイッターでも愚痴を続ける人」の印象が良くなるわけではありません。

    おそらく、黙って見ていた人のほとんどは「作家のほうが痛い」と感じたでしょうね。
    かむなぎさんと同じ気持ちになった人も、表向きには見えないだけで他にもいるはずです。

    当たり前のことですが、コメントは事前に内容を予測できません。
    いろんな事態を想定していても、想定外のことを言われることはあります。
    それでも、返信する時に「何も考えずに思ったことを書く」のではなく、相手の気持ちや自分がどう思われるかを少しでも考えることができれば、大きな失敗はしないと思います。