他人との比較と自己肯定感について

子供の頃の私は「自分は絵が上手い」と思っていましたが、大きくなると自分は上手くないことに気付きました。それは何故かというと、大きくなってオタクの友達ができたり同人活動を始めたりした時に、自分より上手い人にたくさん出会ったからです。

でもこれ、よく考えたらおかしいと思いませんか?

別に身近に上手い人がいなくても、有名な商業作品は普通に私の作品より上手いです。
自分より上手い人を見て「すごいなー負けたわ」と感心するなら、同人活動を始める以前に、市場に出回っている商業作品に対してそう感じなければおかしいです。

子供の頃の私は、本屋さんで売っている商業作品に対しては、自分の作品と比べてどうかと考えたことは無くて、友達や知り合いで上手い人に対してだけ「負けた」と感じていました。
当時はこのおかしさに気付いていませんでしたが、今振り返るとめちゃくちゃ不思議です。

まあ結局、そんなことだから、私は上手くなれなかったのです。本当に素質があるなら、小学生の時点で「本屋さんで売っている作品に負けたくない」と考えて真面目に努力していたはずです。

そもそも私は、身近に自分より上手い人が現れても「それはそれ、これはこれ」でした。同人の世界でも上手い人は人気ですが、だからと言って、私のほうもまったく見向きもされないわけではなかったし、私は私で自分の同人活動を大事にしていたので「よそはよそ、うちはうち」でした。

たまに、上手い人に対して異常に嫉妬する人がいます。普通レベルの嫉妬ではなくて「上手い人がいるからやる気を無くした!私は必要無い存在だ!」みたいな「ええー…?」としか言いようが無い人です。どんな人生を歩んできたらこんな思考回路になるのか?怖…近寄らんとこ…となります。

二次創作なら、好きなジャンルを上手くかいてくれる人が来たら歓迎するのが普通なのに、同じジャンルの上手い人に敵意を持つ人は、同人の世界に何をしに来たのでしょうか?
やはりSNSが誕生してから、わけのわからない人が増えたなあと感じます。

私も人と比べることはありますが、比べた結果に対してそこまで悩みません。
他の人と比べて「負けた」と思っても「それはそれとして、私は私」です。

このメンタルは、私の子供時代の成育環境のおかげなのか、私の生まれつきの性格なのか、という感じですが、多分両方です。ただ、壊滅的に根性が無いので、絶対に上達はできないヤツです。

ところで、実は例外中の例外として、同人をやる前から身近にいて、私より絵が上手いけど、自分と比べようなんてまったく考えなかった相手がひとりだけいます。私の母です。
これは、他の件とはまた違う特別な心理でそうなっていたと思われます。

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コメント

  1. より:

    ヒロコ1号さん
    こんにちは。結論から言いますと、「それはそれ」と努力をしなかったというお話は全くおかしなことではないと、私は思います。
    文章から恐らく、等身大のご自身というのを受け止めていらっしゃるのでは?と思ったからです。
    向上心は大事だとは思いますが、才能は人それぞれなので何処まで成長できるかは恐らく誰にも解りません。だからこそ諦める、というのもまた選択の一つだと思っています。

    私事で恐縮ですが元商業…というより、美少女ゲームメーカーのグラフィッカーでした。
    ですが、原画(線画のみの絵)はやりたくない気持ちが大きく、理由はヒロコ1号さんと似ている部分もありまして、正直特に人体のデッサン力には自信がありません。
    上には上の人がいて、やはり上手い人が原画をやってほしいという気持ちが強かったです。私は着色が好きな事もあり、永遠に色が塗れればいいと当時は考えていました。

    上手い人がいるからやる気を無くしたという方は、その上手い人を強く責めている様にしか見えなくて何だか嫌ですね。似た感じの話題は私も良く目にするのですが、逆に上手い人の絵に惚れる!とかはない方たちなんでしょうか…。
    私にも嫉妬というものを持つ時期はありましたが、ちょっと次元が違い過ぎてどういう思考なのか想像するのも難しいです。
    私も二次創作で上手くて素敵な人が活動されていたら、応援します。寧ろいて欲しいとさえ思うジャンルもあったりします。

  2. ヒロコ1号 より:

    >標さん
    こんにちは。私は絵以外のことも「無理に努力しなくてもできる範囲」までしか取り組んだことが無くて、それでも絵とスポーツ以外のことはそこそこできてしまったので、そのままダラダラと生きてきてしまいました。あまり人から見下された経験は無いのですが、見下されたとしても、私の性格では悔しがらずに「まあいいか」とスルーしてしまいそうです。

    私はクリエイティブな職業とは縁が無かったので、ゲーム業界とか聞いただけですごく尊敬します。自分にできないことをやっている人はすごいと思うので、必死に努力している人も尊敬します。昭和みたいな根性論は現代では批判されますけど、それでもたまには「無理をしてでも頑張る」ことも必要だったのではと思いつつ、私にはできないので今こんな感じです。

    異常な嫉妬は本当に理解に苦しみますね。上手い人は羨ましいとは思うけど、それはそれとして自分も好きで活動しているのだから自分なりにやっていこうというのが、大多数の感覚だと思います。私だけでなく、過去に私と交流していた人達も同じだったと思います。
    上手い絵には惚れますし、好きなキャラを描いてくれたら嬉しいですよね。

    昔の思い出話になりますが、同カプで一番人気だった大手さんのことは、私も周囲の人達も褒め称えていて、大手さんの作品を心待ちにするのも同人の楽しみのひとつでした。
    これはどのジャンルに行っても変わらなかったけど、今思えば、その影で謎すぎる嫉妬をしていた人もいたのかもしれないと考えると、なんだか少し萎えてしまいます。