同人引退後の生活の変化について

過去に同人活動をしていたけど今は引退したという人は、私以外にもいると思いますが、他の人達は引退の前後でどれくらい生活が変化したのでしょうか。私はめちゃくちゃ変わりました。

私は同人を引退した後、ペンタブやプリンター、オタクグッズや本、ゲーム機やソフトなどを、順番にどんどん売り払っていきました。値段が付くものはほぼすべて売りました。

同人をしていた頃にハマっていた作品の関連商品も、今は手元に残っていません。
作品が嫌いになったわけではないけど、もう手放してもいいかなと判断しました。
ファンの人が聞いたら不快に思うかもしれませんが、事実なので正直に告白します。

オタク関係の物だけでなく、服やバッグなども九割ほど処分(ブランド物は売却)し、他の持ち物も大幅に減らしました。オタク関係の物を手放したら、自然と他の物も整理したくなりました。
現在、私個人の高額な持ち物は、パソコンとスマホくらいしかありません。

同人を引退してから現在に至るまで、食欲・気力・集中力は年々減退しています。
以前はスイーツが大好きでしたが、今はもうあまり食べられなくなりました。
小説や漫画は、活字を読むのが苦痛になったので、全然新しい物を読めていません。

絵を描くのは、二年半のブランクを経てスマホのお絵描きアプリで再開しましたが、昔のように楽しい気持ちで描いているのではなく、なんか静かに絵が出力されている感じです。

傍から見れば「死ぬ準備してる?」「終活?」と思われそうですが、今の私はこの生活に満足しています。同人への熱が冷めたことで心が鎮まり、多くの新しい視点を得ることができました。

私はもともと、同人以外の私生活ではストレスらしいストレスが無かったので、同人をやめたら本当に嫌なことが無くなりました。同人での「あいつ嫌い!」「解釈違い!」「公式が炎上していて情けない!」みたいな怒りが消えた途端、一気に毎日が平和になりました。

それなら「最初から同人なんかしなければ良かったのに」と思われそうですが、それは違うと言いたいです。怒りもまた、大切なものがあるからこそ湧く感情なので、苦しくも楽しかったです。

もしも同人を続けられていたら、それはそれでとても楽しかったと思います。
でも、現在の脱落ルートもこれはこれで経験できて良かったです。できればゲームみたいに、すべての分岐をコンプリートしたいところですが、現実ではひとつのルートしか選べません。

ところで他の引退者さん達も、同人をやめたら健康的な生活になったとか、精神的に楽になったとかいうお話が多い気がするのですが、それじゃ同人活動が悪いものみたいじゃないですかヤダー!
でも事実かもしれない…でもやっている間は本当に楽しかった…それが同人活動です。

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コメント

  1. うさぎ より:

    こんばんは、久しぶりにコメントします。
    今でも時おりヒロコさんの現役時代の個人サイトを拝見させていただいているのですが、こんなにたくさんの作品を作ってきた方が(サイトにある作品は大幅に削除されたそうですがそれでもたくさんありますし、それに加えてオフ本も…)すっぱりと同人活動をやめられたということが何とも言葉にしがたい気持ちになることがあります。
    でも、ヒロコさんが同人を続けていたらジャンルが被らない限り存在を知ることもなかったと思うので、色々な選択肢で人生が分岐して、様々なめぐりあわせが生まれて不思議だなぁとも思います。
    noteに掲載されているオリジナルイラストも時おり拝見させていただいています。最近の夏をテーマにしたイラストもすごくかわいくて、同人を続けられていたらこれらは存在しなくて…って考えるとなんだか不思議ですね。
    このブログで同人をやめられたヒロコさんの生の声を聞くことで、創作物の全てはいろんなめぐりあわせで奇跡的にそこに存在するのだなぁと、好きだと思える作品に対して前以上に大切に思えるようになりました。他人ごとではなく自分も創作意欲が続く間に少しでも多くお気に入りを作らねば!と気が引き締まります。

  2. ヒロコ1号 より:

    >うさぎさん
    こんばんは。私が同人をやめたのは、ちょうど四十歳になる頃でした。
    その歳まで続けたのならもう一生続けるだろうと自分でも思っていたので、熱が冷めてしまった時は途方に暮れました。でも、そのおかげでこのブログが誕生しました。

    旧サイトのほうも見てくださってありがとうございます。
    あのサイトは更新停止しているのに、アクセスがゼロだった日が一日もありません。
    昔見てくれていた人がまだ来ている可能性もありますし、最近できた個人サイトやブログからリンクして頂くこともいまだにあるので、これも不思議なめぐりあわせだなと思います。

    確かに、私がもし同人を続けていたら、今のオリジナルイラストは存在しませんでした。
    私はあまり季節感とかを気にしないタイプですが、今年の夏は夏らしい絵が揃いました。
    もし同人をやめていなかったら、今流行っているジャンルの二次創作漫画を描いていたと思いますが、それだと、うさぎさんに見てもらえていたかは分かりませんね。

    今一番驚いているのは、私の今のイラストにも感想を言ってくださる人がいることです。
    二次創作は同ジャンルの人達に共感してもらいたいという気持ちがありましたが、今の絵は反応を一切期待せずに描いています。それでも感想を頂くと、驚くけど嬉しいです。

  3. 引退した者です より:

    こんばんは。先日はお絵描きアプリやタッチペンを教えていただき、ありがとうございました!まだ使っていないのですが、私もアイビスペイントにしてみました。

    私は同人活動を引退後、孤独感や喪失感のピークは乗り越えましたが、今も立ち直り中です。ヒロコさんの経験談を読むことで救われていますし、他の引退した方々はどうしているのかな?と思ったりします。
    私の場合は、グッズ整理によって色々と思い出すことが今は負担なので、処分や売却はまだしていません。
    また、忘れることでしか苦しい気持ちは消えないと考えたので、アニメ・漫画・ゲームを一切見ないようにしてきました。そのせいか、2次元キャラの絵を苦手と感じる場面が時々あって、自分でも驚いています。

    例えば、街のポスターや商業施設のマスコット、日用品のパッケージ(コラボデザイン)などで見かけた時です。
    よくある一般向けイラストではなくて、萌え系美少女や乙女ゲーム系イケメンみたいな感じです。
    昔の自分なら喜んでいたと思いますが、今の自分は違和感を感じるようになりました。特に日用品のパッケージは、通常デザインと選べればよいのですが、コラボデザインしかなくて買うのを控えた時がありました。
    その時の違和感はたぶん「望んでいない場面で目にしているから」なのだと思います。ヒロコさんが以前Twitterの不快感について「不快というほどではないけど今は見たくないもの→積み重なると不快」ということを書かれていましたが、それに近いのではないかと思います。

    この話は2次元キャラを批判しているわけではなくて、むしろ2次元キャラ大好きだった私が、引退後に感じた不思議体験の話です。
    昔から、世の中には2次元キャラが苦手な人もいることは認識していましたが、もしかしてこういう気持ちだったのかな?と今になって思っています。

  4. ヒロコ1号 より:

    >引退した者ですさん
    こんばんは。アイビスペイントは私にとっては充分な機能が揃っていて、不満な点は全然無いと感じます。だからこそ「もうペンタブいらないな」となってしまいました。
    これは私のやる気が無いせいだけでなく、今のアプリがすごすぎるせいもあります。
    デジタル絵を始めたばかりの頃は、こんなものが出てくるとは予想していませんでした。

    私の場合、嫌な記憶と言えばツイッターですが、ツイッターは結局きちんと退会して、その後も数年間同人を続けたので、終わり方はそんなに悪いものではありませんでした。引退する頃には、好きだった作品と嫌な思い出は意外と切り離して考えることができていて、グッズを見てもつらくなることは無かったし、アニメも(ハマれないけど)見ていました。

    でも、街でオタク系のイラストを見て違和感を覚えるようになったり、イラストが付いた商品を買うのに抵抗を感じるようになったというのは、私も少し分かる気がします。
    二次元キャラに対して「今は見ることを望んでいない」と思う感覚も理解できます。
    私は、見るのは別にかまいませんが、見ても心が動かないので虚しい気分になります。

    他の引退した人達にもいろいろな事情があるでしょうが、詳しく語りたい人は少ないだろうなと思います。私は、今苦しんでいる人が「自分以外にも同じ人がいた」とか「自分はヒロコよりマシ」と安心できたらいいと思って、このブログで語ることにしました。
    私の経験談が、少しでも役に立ったり立たなかったりすれば幸いです。

  5. 中年の冒険 より:

    こんにちは。
    引退後の言葉につられてコメントしたくなりました。

    今年(2023年)オタ活を卒業しました。
    約5年間で2作品と短いですが、頭に血が上ってのアレコレに始まり、熱が冷めていくのを止められない寂しさや離れてからのさっぱりした感覚まで味わいました。

    それ以上に本命といえる趣味の旅行を引退したので、記事に深く共感しました。
    一生かけて世界を周るんだ!の気持ちでした。
    オタ活も旅先の一つとして、日常生活の中で別世界に移動できるのが魅力でした。

    引退したのは気力がなくなった、に尽きます。
    コロナや体調不良もありましたが、それらは言い訳です。
    正直、これで旅行しなくて済むと思いました。

    今は時間が余ってヒマな毎日です。
    引退後の生活の変化は、動画を見ながら体を動かす習慣がつきました。
    でも、これは手術を2回受け、1回目がめちゃくちゃしんどくて2回目に備えて体力をつける必要に迫られたからで、引退は関係ない気がします。
    それに時間を忘れて何時間も運動することはありません。

    最後のオタ活イベントの当選通知を病室のベッドで受け取り、泣く泣く発券を見送ったのも今となっては懐かしい思い出です。
    現地へ行けなくても、配信で観られたので諦めがつきました。
    ありがたいことですが、そんな時代の変化が遠くへ出かける気力を失った要因の一つだと考えます。

  6. ヒロコ1号 より:

    >中年の冒険さん
    こんにちは。そうですね、私も、気力が無くなったとしか言いようがありません。
    そして「熱が冷めていくのを止められない寂しさ」と「離れてからのさっぱりした感覚」も両方とてもよく分かります。引退を決意した時は、これでもういろいろな作品を必死に追わなくて済むし、オタ活にお金を使わなくて済むという安堵の感情がありました。

    引退前は自由時間はほぼオタ活に費やしていたので、引退後は私も時間が余っています。
    ヤケクソで運動していたら体重が十キロくらい減って、健康診断の結果が改善しました。
    でも、気力はビックリするほど無いため、元気かと言われると返答に困ります。
    大きな病気もしていませんしストレスも無い生活ですが、ひたすら心が「無」です。

    新しい趣味を見つければ、と言われたこともありますが、私にとってオタク趣味は、物心ついた時に気付いたらハマっていたもので、まさに人生と共にあったものでした。
    そこまでのものが崩れたのに別のことにハマる自分が想像できないし、どう頑張っても「無理やり趣味を見つけようとしている」状態になりそうで、心から楽しめるとは思えません。

    現在はネットのおかげで、実際に遠くへ出かけなくても楽しめる方法もありますね。
    元気な頃ならそれでも敢えて外に出ていましたが、今はもう無理になってしまいました。