私は子供の頃から、絵を描く時にアタリをとったことが一度もありませんでした。
大人になってからネットの講座などを見て、理屈だけは分かったような分からないようなという感じでしたが、それでも同人をしていた間は妄想を一刻も早く形にすることが最優先でしたので、そこでアタリとか言われても「うるせ~!知らね~!」と勢いのままに描いていました。
ですが同人をやめた現在は、精神的に落ち着いて時間にも余裕ができたため、暇だからアタリにでも挑戦してみるかと思い立ちました。よく考えてみれば、漫画や小説も先にネームやプロットを作ってから制作に取りかかりますし、イラストも先にアタリをとって描くことは別に変なことではないかもしれないと、それ小学生の時に気付けよとセルフツッコミを入れつつアタリをとってみました。
それで、完成させました。
うーん…これ、最初のアタリっぽいもの、描く必要あったかな?(´・ω・`)
別にこれを描かなくても、白紙の状態から完成形に持っていけるけど?
私は昔からずっと、絵の講座を見てもその内容を正しく吸収できないことに定評があって、いつもこんな感じで「これで本当に合ってるのかなー?」で終わってしまいます。講座の有用性を理解することができないため、知ったことを自分の絵に反映させることができません。
一応、アタリのことはよく分からなくても「人物が直立した時、肘が曲がる位置と腰のくびれの位置は同じ」みたいなことは、単純に「自分の身体がそうだから」という理由で子供の頃から意識していましたが、全体のバランスを考える場合はそれだけでは不十分です。
いろいろやってみて思ったけど「アタリをとれば複雑なポーズも簡単に描ける!」というのは、正直ウソだなと感じました。アタリだろうが本番だろうが、もともとの画力が無ければバランスの良い絵は描けません。ヘタレがアタリをとったところで、そのアタリもヘタレなので、それを完成させたところで(略)だから、それならデッサン人形や3Dモデルを使うほうが良いかもしれません。
でもデッサン人形なども、結局もともとの画力が無ければ上手く活用できないと分かったので、やはりお絵描きの道は厳しいです。これから絵を描き始める人は、とりあえず何も気にしないで自由に描いてほしいとは思うものの、小学生の頃から何も気にしてこなかった私が現在このザマなので、私みたいになりたくない人は真面目に練習したほうがいいのかなと思ってしまいます。
今になって、ちゃんと絵が描ける人は、アタリのこと以外でも世に出回っている講座をどのように見ているのか?上手い人なら正しく役立てられるのか?ということが気になっています。
コメント
こんにちは。
前回の記事にもコメントさせていただきましたミサキと申します。
マンガキャラの人体の描き方に関する本を開くと、ほとんどの本がアタリのとり方から始まるので、私は真面目にアタリから描き始めていました。
でも、アタリに気をとられすぎてポーズが固くなったり、自由に描きにくかったり・・・といったこともあったのでアタリから描き始めたのが正解なのか今でも分かりません。
当時の自分には、イラストの描き方にたった一つの正解はないことを教えてあげたいです。
「アタリを取れば複雑なポーズが簡単に描ける」ことは自分もウソだと思い共感しました・・!
>ミサキさん
こんにちは。初めて絵を描く人に分かりやすく教えようと思うと、やはりアタリの話から入るしかない気がするので、教本ではどうしてもそうなってしまうのでしょう。
ですが実際は、先に人体デッサンの勉強をしたり、自分の画風というかデフォルメの方向性が定まっていないと、アタリを上手く取ることもできないと思います。
複雑なポーズも上手く描ける絵師さんは、アタリを取っているから描けるのではなくて、何度も試行錯誤して練習を積み重ねた結果描けるようになったわけで、それは初心者が講座を見ただけでどうにかできるようなものではないんですよね。
一見便利に見える教本や講座って、その事実が巧妙に隠されている気がします。
とは言え、今の私は同人への執着が無くなって、以前とは違う気分で絵に取り組むことができていますので、今後は若い頃にやらなかったことをいろいろ試してみたいです。
ここ最近ヒロコさんの新規イラストが見れて嬉しいです!お絵描き再開記念のナンジャモちゃんの絵を見て「良かった~!!!」と思ったのですが、まさかこんなに新作のイラストを描かれているとは驚いております。
絵の上達を目指して日々練習してる者ですが、私の場合はアタリを最初に書くと安心するんです。そのほうが描きやすく感じます。でも正直アタリの取り方よく分かってないんですけどね笑(꒪꒳꒪;)
上にあるミサキさんのコメントの「アタリに気をとられすぎてポーズが固くなったり、自由に描きにくかったり」の部分とても共感します…
>もこもこさん
私の場合、頭に思い浮かべたポーズのアタリを描こうとしても、自分の腕が残念なのでアタリも上手く描けなくて、そこから完成させても、最初に思い浮かべた絵とはビミョーに違うものが出来上がるという、ヘタレあるある話になってしまっています。
私は自分で描いたアタリをまともに活用できているかも怪しいので(途中で面倒になってアタリも無視しがち)アタリをきちんと気にしながら描くこと自体は良いと思います。
その上で固くならないようにするには、結局たくさん描くしかないのでしょうね…
ナンジャモちゃんも見てくださってありがとうございます!あれ以降、お絵描きはなんとか続けられているので、このブログで使えそうな絵があればまた載せる予定です。
お久しぶりです。標です。
私もアタリをとれば複雑なポーズも簡単に描けるということは、ないと思っています。
とにかく絵は頭の筋トレだと思っているので、
ひたすら人体がどう動くかを頭に叩き込むしかないです。
ヒロコ1号さんはアタリについては中立派なのかなと思いました。
私は比率も把握しながら描いてるので
なしで描くとなしで描いた状態の絵をもう一度描くことが非常に難しくなったりします。
このキャラは170cmなので7等身、肩幅は頭に対して比率…… とアタリで
全体像を把握してからの方がキャラの情報が掴みやすいと感じております。
アタリについて真面目に向き合うことが出来る記事を有難う御座います。
それでは、失礼します。
>標さん
人物をどんなバランスで描きたいか(頭身が高いキャラを描きたいのか、ちびキャラを描きたいのか)というのも人によって違いますが、そういう方向性も定まっていない段階の人が講座にあるようなアタリを真似しようとしても、上手くいかないのではと考えています。
同じキャラを何度も描く場合は、自分の中で比率を決めておいたほうがいいですよね。
よく考えたら当たり前のことなのに、私は昔から本当に何も考えていませんでした。
現役時代にキャラの絵のバランスについて指摘されたこともなかったので、今になって初めてそういうことをまともに考え始めるという、とんでもない事態になっています。
本当なら小学生の時に学んでおくべきだったことを今慌てて調べているので、大変お恥ずかしいですが、イラストの記事も見て頂けるのは有難いことです。