同人誌を買う場合、イベントで直接買うか、通販を利用するかのどちらかになります。
昔は「自家通販」と言って、サークル主の住所に定額小為替を送ったり、サークル主の口座に代金を振り込んだあと、本を送ってもらうという方法が多かったです。
今は「とらのあな」などの書店に委託すれば、在庫管理や発送は書店が全部やってくれますし、サークルと買い手もお互いに個人情報を教えなくていいのでラクになりました。
イベントや書店で買う場合は基本的に安心ですが、自家通販の場合は、お金を振り込んだのに本が送られてこないケースもあったりします。
2005年頃、とあるジャンルのとあるカップリングで大規模なアンソロ企画がありました。
私も同じジャンルでしたが、カップリングは違うので遠くから見守っていました。
本は無事に発行され、イベントでも売られました。
ですが、本が発行される前に「予約」して先にお金を払っていた人達のところへ、なかなか本が届きません。初売りのイベントが終わったら送るのかなと思っていましたが、主催者はUSJで遊んだことはブログに書いても、本の発送の話はまったくしません。
予約をしていた人達は2ちゃんねるのジャンルスレで「本が届かない」「主催者は本を送らないつもりではないか?」「通販詐欺では?」「少額訴訟とかする?」と騒ぎはじめました。
ですが、本の値段は1000円くらいです。お金を取り戻すか本を送ってもらうために主催者に突撃するとしても、それ以上の労力がかかりそうです。
騒ぎが大きくなってからは、その主催者はイベントに参加しなくなりました。
結局、被害に遭った人達が最終的にどうしたのか、私は知りません。
2ちゃんねるのスレッドはかなり長い間盛り上がって(?)いました。
それでも、ただの通販詐欺だけなら、そこまで長くは騒がれなかったかもしれません。
同人の世界には、もっともっと大きな事件がありますので。
そのアンソロのゲストは公募制だったのですが、主催者は応募してきた人を「絵がヘタだから」という理由で断ったこともあったようです。また、主催者はサイトで「このジャンルの同人誌ってみんなダサいから私がセンスいい本作ってやるよ(意訳)」みたいなことも言っていました。
主催者の言動はアレだけど、本は欲しいし…という複雑な空気の中での通販詐欺騒動だったので、叩く側もヒートアップせざるを得なかったと思われます。
ちなみに私はその本を予約していなかったので、イベントで偶然見かけた時に買いました。
本が欲しかったというよりも「ああ、あの通販詐欺騒ぎのヤツか…」という感じで気になって買ったので、どんなことでも宣伝になればOKという理論は案外間違っていないのかもしれません。
その本の感想ですが、内容はともかくカバーがめちゃくちゃズレていたのが印象的で、もっと丁寧に巻けよと思ったのも懐かしい思い出です。
コメント
ネットがなく、BLがやおいと呼ばれていた時代に通販詐欺に遭ったことがあります。
今思えば、通販詐欺をするような人は性格的にルーズで事務処理能力が低いのではないでしょうか。
こうした人は、いつも決まって「忙しい」「発送も全部ひとりでやってる」と言い訳ばかりなのが見苦しいです。
>名無しさん
やおいという言葉、懐かしいです。私もその時代に同人の世界に入った人間です。
同人活動は言ってしまえば誰でもできますので、ルーズな人が他人のお金を預かってトラブルになる可能性も普通にあります。被害に遭っても、運が悪かったと諦めるしかないことが多いと思います。そして「忙しい」と言ってやるべきことをしない人、確かにいましたね!
私もそういう人は嫌いですが、同人をやめてからは遭遇しなくなってホッとしています。