人物イラストのアタリと言えば、身体全体のバランスを取るアタリだけでなく、顔のパーツのバランスを取るアタリもあります。顔のアタリというとアレですよね、あの、十字を描くやつ!
というわけで、よくある感じのアタリらしきものを用意してみました。
私が小さい頃から、顔のアタリと言えばこの十字です。この十字に合わせて絵を描き込みます。
目が大きくても小さくても、目の位置は十字の横線に合わせます。
この絵は目しか変えていませんが、他の部分も変えるといろいろな顔を描くことができます。
これは一番簡単な真正面の構図なので、この方法で誰でも同じバランスの顔を描くことは可能だと思います。でも「ここから十字のアタリを上下左右に動かせば、あらゆる角度の顔が描ける!」というのは教本の罠だと思っています。それができるのは既に相当な画力がある人だけです。
このことに気付いたのは私が小学生の頃で、角度を変えた十字を描いても、それに上手く目鼻を乗せられるかは別の話で、十字を描いた痕跡があるのに思いっきりズレている絵もありますよね。
こんなもんで上手く描けるなら苦労はしないんですよ!結局ちゃんとデッサンができないと、十字描いても意味無いんですよクソが!と、小学生の頃の私は大人に騙された気分になりました。
とは言え、今回初めて真面目に顔のアタリを描いてみた上で自分の絵を見返すと、毎回同じように描いているつもりでも、実は顔のバランスが結構バラバラなことが判明しました。
これは反省したほうが良いと思ったので、今後は気を付けるかもしれません。
ただ、教本で紹介しているようなバランスから外れた描き方をしていても、その人の画風として違和感の無い絵になっていることもあるので、その場合は無理に変えて欲しくないなと思います。
最近は便利な講座がたくさんあって、初心者からある程度描けるようになるまでのサポートが昔と比べて本当に充実しています。でもそのせいで、同じ講座を見て、同じ描き方や塗り方を真似て、全員同じような絵になっていくのは、個人的にとても悲しいと感じています。
複数の絵が並んでいるのを見て、全部同じ人が描いた絵だと思っていたら、全部違う人が描いたと分かって腰を抜かしたこともあります。これ、私が年寄りなせいで「興味無いものは全部同じに見える現象」が発動しているだけなら良いのですが…他の人は区別付くのか?と驚いています。
昔も流行の絵柄というものはありましたが、今は昔よりもさらに画一化が酷いと感じます。
まあ、商業の人は決まった絵柄にしないと仕事が来ないこともあるのかもしれませんね。
もしも私が上手かったらボロクソに物申すところですが、ヘタレなので黙っています。
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