漫画を描く時に使ったエネルギーの行方について

同人をしていた頃、交流していた絵師さんが「漫画を描くのってこんなに疲れるのに、どうして痩せないんだろう?」と嘆いていて、私もまったくその通りだと同意したことがあります。

私がまだ漫画原稿を描けていた頃、ダイエットを意識して活動量計を身につけていたことがあったのですが、漫画を描いている間は当然一歩も動いていないため、消費カロリーはゼロだと記録されるわけです。そんなはずないだろナメてんのか!これほど納得の行かないことがあるでしょうか?

漫画原稿を仕上げた時の、あの物凄い疲労感が無視されて「一歩も動いていないから消費カロリーはゼロです」と片付けられることに対して、当時交流していた絵師さんも私も憤っていました。
デジタルが普及してからは、アナログよりはラクになったとは言え、漫画を一本完成させるのはとても大変な作業です。私みたいな絵でも大変なので、他の人はもっと大変なはずです。

ただ、世の中には「文章は苦手なので漫画で描いたほうが早い」とか「漫画を描くほうがラク」という人も存在するので、何を大変だと感じるかは人それぞれかもしれません。
私の場合は、圧倒的に漫画を描くのが大変だと思っていて、漫画原稿の作成だけは「今の自分にはもうできない」と、ハッキリと諦めてしまっています。

文章は、確かに今は「お話」は作れないけど、ブログ記事なら打つことができます。
もし「お話」を思い付くことができれば、それを文章の形にするのは可能だと思います。
イラストも、死にかけみたいなペースだけど今も一応描けています。
だけど漫画は、たとえネタを思い付いたとしても、原稿を完成させられる気がしません。

若い頃は、漫画を描くのは大変だと言いつつも、それ以上に「この作品を完成させたい」という情熱があったから、描き続けることができていました。
でも、四十歳に近付いて、当時活動していたジャンルに冷めかけた時に、漫画を描くこと自体も億劫に感じてきてしまい(生まれて初めての感覚でした)そこで同人引退を決意しました。

漫画を描く作業ってめちゃくちゃ死にそうになるよね!という意見に同意してくださる方は、あれで痩せないのはおかしいよね!という意見にも同意してくださるはず…です。

で、今の私は漫画を描いていませんが、単純に食欲が低下したので昔より痩せています。
気力が無い上に肉体の体積も減ったため、時々命を持って行かれそうな感覚に陥るので、漫画を描いていた頃は一ミリも興味が無かった筋トレをしてみたほうがいいのかな?と考えています。

ていうか、漫画を描く時にあんなに手を動かしていたのに、どうして私の筋肉は鍛えられていないのでしょうか?これほど納得の行かないことがあるでしょうか?(´・ω・`)

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コメント

  1. 通りすがりの40代 より:

    こんにちは。
    面白い視点ですね。

    創作の辛さ=脳疲労で、体脂肪が燃焼しているわけではないため、とマジレスしたいところですが、おそらくヒロコさんはわかっていて、書かれていますよね。漫画を描くのは大変、これは読者でも思います。

    私もブラック企業に勤めていた頃はうつで激やせしていましたが、辞めたとたん、5キロ以上太りました(笑)。
    夏は暑いので活動量が減ってしまい、痩せにくくなるそうです。むしろしっかり食べて、寝て、よく動いたほうが心身ともに健康でいられそうです。熱中症に気を付けて、なるべく外出するようにしています。

    ヒロコさんのアンチツイッター論に私も同意です。
    SNSでつながりを強制されて自由な時間を奪われていると感じます。

    おからだ大事にしてくださいね。
    今後も更新楽しみにしています。

  2. ヒロコ1号 より:

    >通りすがりの40代さん
    こんにちは。趣味がスポーツの人は健康的にカロリーを消費しているというのに、漫画を描くのはお世辞にも健康に良いとは言えない行為で、疲れるのに痩せないんですよね。
    でも、私は物心ついた頃からスポーツにまったく興味が無くて、じっと座って創作しているのが好きだったので、これは仕方のないことです。

    私が痩せる時は、だいたいロクな経緯ではありません。大学を卒業する頃に自律神経をやられて二十キロ痩せましたが、元気になると体重が戻って、四十歳で同人を引退した時に軽い抑うつ状態になり再び十キロ痩せました。たまには健康的な痩せ方をしてみたいものです。
    今は原稿の締め切りも無いのだし、熱中症に気を付けつつ外出するのも良いですね。

    ツイッターは、私が使っていた頃も決して良いものとは言えませんでしたが、今のXの話を聞いていると、あれでもマシだったのかもしれないと、その酷さに驚いています。
    あんなものが創作活動のスタートの場になってしまう若い人が可哀想です。

  3. ミサキ より:

    こんにちは。以前もコメントさせていただきましたミサキです。

    同人誌を出したのも数年前になり、あの頃の漫画を描くためのエネルギーはどこに行ってしまったのか・・・と考えさせられました。
    漫画を完成させるために、睡眠時間を削ることもありましたし、体重も含め自分の体に気を使わないほどのめり込んでいた頃が懐かしいです。

    「この作品を完成させたい」という熱意がないと、できないことだったと改めて感じました。
    自分もブログ記事なら文章を何とか書くことができていますので、以前のように漫画は描けなくても発信活動は何とか続けていきたいと思っています。

  4. ヒロコ1号 より:

    >ミサキさん
    こんにちは。よく考えてみたら、ひとりで本を一冊作るってとんでもないことでしたね。
    夢中になっている間は「描けて当たり前」だと思っていましたが、気力を失ってからは、よくあんなことができていたなと自分でも不思議に思っています。
    そして、当時と同じ熱意はもう戻ってこなさそうなことも、今の私は実感しています。

    漫画は描けなくなっても文章が打てるなら発信活動はできるので、このブログも誕生したわけですが、続けることができている有難さみたいなものは、昔よりも強く感じています。
    昔は「描けて当たり前」だと思っていた漫画が、今は遠い思い出になってしまいました。
    今後も年齢とともにできることが減っていっても、何とか工夫していきたいです。