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絵には描き手の精神状態が表れるという説から、今の私の絵について考える

二次創作同人をしていた頃の私は、常に「推しの漫画を思い付いたから早く描きたい!」という激しい衝動に突き動かされていました。同人の世界をまだ知らなかった子供の頃も、常に絵や漫画を描きたい気持ちが腹の底からワーッと湧き上がるような感覚がありました。

昔の私の絵は、技術はともかく、こういった異常に鬱陶しい情熱だけは見ている人達にも伝わっていたと思います。二次創作でも、推しへの歪んだ愛だけは無駄に溢れていたはずです。

絵には描き手の精神状態が表れると言います。
楽しんで描いていればそれが見る人にも伝わりますし、逆につらいことがあったり気が乗らない時に無理に描くと、その気分が絵にも表れてしまうことがあります。プロや上手い人でも、精神状態が不安定になると、見ていて不安になるような絵に変わってしまうことがあります。

そこで私の今の精神状態の話になるのですが、私は同人を引退してブランクを経た後に絵を再開したけど、これは昔のような情熱が戻ったから再開したわけではありません。
本音を言うと、創作意欲と呼べるほどの強い気持ちは無いし、溺愛する推しもいない状態で、特にやる気は無いけど何故か再起動したというホラー展開です。

だとしたら、今の私の絵にはそんな感じの死臭が漂っているかもしれないのでは?
確かにブログ開設時から使っているアイコンも「死んでるじゃねーか!」って感じですね。
このアイコンは、同人引退後の私の心境にめちゃくちゃ合っていてお気に入りです。

昔と今で絵を描いている時の心境が違うという人は、他にもいると思います。でも、引退して情熱が枯れて、その気分のまま静かに再開したというのは、珍しいケースではないでしょうか。

絵がどのように見えるかは、見る人の判断に委ねるしかありません。
でも、病んでいる人がお約束通りに病んでいる絵を描いていて「やっぱりな!」と思うことも結構あるので、精神状態が本当に絵に出るとしたら、私の場合はちょっと死んでいるかもしれません。

ただそれも、自分はもう引退した身だと考えれば、あまり気にしなくて良いと思っています。
同人をしていた頃のジャンルのしがらみも、オタク友達やお絵描き友達に気を配ることも、子供の頃にあった過剰な自意識も、今の私はすべて無くしました。現在、びっくりするほど気が楽です。

現役時代の目まぐるしさも楽しかったけど、今はそれとは別の安らぎを感じています。
それが絵にも表れているのなら、悪くないことだと考えています。

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コメント

  1. UNKNOWN より:

    いわゆるハンコ絵というか、アニメ塗りみたいな絵は、誰がどう描いても同じ顔になるので、作者のメンタルも技量もあったものじゃないと。
    描き手の心理状態が現れやすい絵とそうでない絵のタイプの違いかもしれないな、と思っちゃいました。メッセージが伝わるのか、伝わらないのか。

    絵をシンプルにしてるけど、文章でごちゃごちゃ説明しているのならば、描画に力を入れてうならせてくれよと思ってしまいます。でも時間をかけたから魅力的な絵になるわけでもなく、描き込みが少ないからすぐ作れたわけでもなく、線が多けりゃ画面がうるさくなるしで。好みが人それぞれなんでしょうね。

  2. 匿名 より:

    初めまして。
    絵って足し算より引き算の方がより難しいなあと感じています。
    ヒロコさんはサラッとやってのけてますが、このシンプルに分かりやすくて、しかも可愛いというのは真似しようと思っても中々出来ない芸当です。私はヒロコさんの絵が好きですね。

    描き手の精神状態が絵に現れるについてですが、確かにそれはあります。
    ぱっと見綺麗でも何かしら分かる人には分かる違和感、と言うと悪い意味に捉えがちですが揺らぎみたいなものでしょうか。
    でもそれ含めて作者から出た作品はそれぞれ他に変えられない興味深い部分があります。
    今は気が楽と仰ってますが、執着を手放した自由な領域に足を踏み入れたのでは無いでしょうか?最近のヒロコさんの絵からはスッキリとした開放感を感じます。
    未だに絵であーだこーだ人と比べたりメンタルが一定にならない私には羨ましい領域です。

  3. ヒロコ1号 より:

    >UNKNOWNさん
    ハンコ絵みたいな、ある意味安定した絵は、変化が分かりにくいですが、それでもやる気が出ない時に線や塗りが普段より雑になるみたいなことはありますね。上達していく過程で一旦崩れて、そこを乗り越えたらすごく上手くなるパターンもあると聞きましたが、それは精神状態とは関係ない変化ですし、絵が変わる人の事情もいろいろあるのだなと思います。

    私は本当に、引退前と引退後で別人になったかと思うくらい内面が変わりましたので、それでも絵の雰囲気が変わっていないのなら、それはそれですごいことです。
    線が多くて美しい絵は、私には絶対に描けないので羨ましいです。

  4. ヒロコ1号 より:

    >匿名さん
    はじめまして。絵の引き算の話は、同人をしていた頃も、匿名さんと同じように言ってくださった人が何人かいました。私は自分の描きやすいように描いてきただけですので、これは言われないと分かりませんでした。私はむしろ足し算のほうが面倒で難しいです。

    絵の変化は、それが魅力になっていれば良いのですが、本当に病んでいる感じだったらやはり不安になります。でもその「病み」を作風にしている人もいるので、絵の場合は一概に悪いとも言えないのかなと思いつつ、それでも本人のことは心配してしまいます。

    執着を手放した自由な領域は、確かにそうかもしれません。若い頃は自分がそこに辿り着けるとはまったく考えていなかったので、現在思わぬ形で辿り着いたのだとしたら、奇跡と言って良いです。ただ、同人活動もやめて、現役の絵描きさん達の輪から離れたあとでその領域に至ったという感じなので、健全な至り方かどうかはちょっと疑問ですね。