同人活動の思い出／推しの二次創作を見る時、上手い下手を気にするか

同人をしていた頃の私は他の人の作品を見るのも好きで、推しが出ている二次創作なら、基本的に上手い下手は関係無く好意的に評価していました。
内容が解釈違いなのは嫌でしたが、技術的な上手い下手はあまり気にしていませんでした。

また、解釈違いと言っても、絶対に許せないレベルの解釈違いは十年に一度くらいの確率でしか出会わなくて、ほとんどは「解釈違いだけどまあ人それぞれだしな」で済むものでした。
推しが出ている作品なら、結局気になって全部見てしまいましたし、見てあまり好みじゃなかったとしても、それで「他人の作品なんて見られない」という考えにはなりませんでした。

でも、私みたいな人間がいる一方で「推しの二次創作は上手い作品だけを見たい」という人もいるようです。漫画でも小説でも、推しの作品だからこそ下手なものは見たくないと言われると、それはそれで一理ありますが、私がそういう人の存在に気付いたのは同人を引退した後のことです。

昔の私は、長い間同ジャンルの人達との交流を楽しんでいました。
私の周囲には常に、同じ推しが好きで愛情を込めて作品を作っている人達がいて、みんなの作品を私はいつも楽しみにしていました。
その中で技術的にあまり上手くないものがあっても、内容が面白ければ充分楽しめました。

これはもしかすると「好きなカプや推しの二次創作だから」という補正のおかげで楽しめているのかもしれませんし、さらに「自分と仲がいい人が作った作品だから」という理由で評価が甘くなることもありますが、趣味の活動ならそれで何も問題ありません。
私の作品もまた、そういう「仲間補正」で評価してもらえていた面があったと思います。

ともかく私は、推しの二次創作は技術的に上手くなくても楽しく見ていたので「推しだからこそ下手な絵や文章でかかないでほしい」という考えがあると知った時は驚きました。
そういう人はあまり交流はしないだろうし、何よりヘタレの私とは接触する機会自体が無かっただろうから、私は同人を引退するまでその存在を知らなかったのでしょうね。

私の場合、そもそも自分より下手な人が滅多にいないので、他人の技術にどうこう言える立場ではないというのもあります。でもそれ以上に、私が同人活動で一番大事にしていたのは「同じものが好きな人達と楽しむ」ことだったから、下手という理由で無視するという発想は無かったです。

一次創作なら違ったのかなと考えてみたけど、それでも結局、内容が気に入れば上手い下手は気にならないかもしれません。商業作品に対しても、そこまで突出した画力などは求めていません。
見る目が厳しい人は、見られるものが少なくて大変だなと思います。