同人界隈では、SNSのプロフィールなどに「地雷なし」と書いている人が時々います。
どんなものでも楽しめるというのは長所かもしれませんし、作品を作っている側にとっても有難い存在です。ただ、そう書いている人の中には、本当に地雷がない人もいるかもしれませんが、まだ本物の地雷に出会っていないだけの人もいるのではないでしょうか?
たとえば、苦手な人が一定数存在する「グロ」ですが、内臓が飛び出していなければグロとは言えないという人もいれば、血が出ていればグロだろうという人もいます。
ここで「グロいです!閲覧注意!」という注意書きがあったとして、それは果たしてどの程度のグロさなのでしょうか?想像する内容は人それぞれ違うはずです。
グロ表現自体は否定しないけど、やりすぎはイヤだという人が多数派ではないかと思いますが、ではその「やりすぎ」とはどれくらいからなのでしょうか?
注意書きをしてある作品を見る時、誰もが無意識に「グロ注意と書いてあるけど、多分これくらいのものだろう。なら私は大丈夫!」と、自分の基準で判断を下します。
だけどもしそれが、あなたが想像していた以上の耐えられないグロさだったらどうしますか?
注意書きはしてあったのだから作者は悪くありませんし、その注意書きを無視したわけではなく自分で考えて見ると決めたあなたのことも責められません。
昔、リアルな画風の知人がイベントで自分の本を売っていた時、スペースに来た人に「グロいけど大丈夫ですか?」と確認しました。相手は「平気ですよ~」と気軽に返答して本を開いたけど予想外のグロさだったらしく、驚いて本を落としてしまったということがあったと聞きました。
これは事前に注意した知人は当然悪くないし、相手も「自分に想像できる範囲を超えたグロ」を予測できるはずがないので、誰も悪くない悲しい事件です。
私たちが全員違う人間である限り、注意書きは必ずしも万能ではありません。
創作物とは他人が自由に作っているもので、しかも同人誌には商業誌ほどの規制もありません。
自分と同じキャラが好きな人が作った二次創作なのだから、そこまで酷い内容ではないはず…なんて考えは甘いです。まあ本当にヘイト創作な場合もありますが、それはまた別の不運です。
深く考えずに「地雷はないです!何でも読めます!」なんて言えてしまう人は、まだ本物を踏んだことが無いのでは?と、私は思ってしまいます。注意書きが無くて踏んでしまうこともあれば、注意書きはあったけど想像を超えていたり、あるいはそれまで自分でも気付いていなかった地雷を新たに発見してしまったり、これからいろいろあるかもしれませんよ。
私はと言えば、同人を始めたばかりの頃はまだ経験が浅かったので「私はBLも男女カプも18禁も好きだし、読めないものなんてないよ~!」と息巻いていました。そして、苦手なものがあると言っている人を「心が狭い」とバカにしたこともありました。ですがその後、自分の想像を超える胸糞悪い作品に出会う機会が何度かあり、人をバカにしたことを死ぬほど反省しました。
自分がこうなったことを考えると、本物の地雷を踏んだことが無くて「何でも読めます!」と言っている人は、そのままずっと地雷を知らずに生きてほしいです。
でも、何でも読めることが偉いと思ってマウントを取ろうとする人は、かつての私と同じように、いつか酷い目に遭えばいいと思っています。
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