同人活動の思い出/自分の性別や年齢を詐称するのは楽しそうだと思っていたけど結局やらなかった

自分の顔を出さずに活動している作家さんなどの中には、実は女性だけど男性のような名前を名乗って男性のフリをしていたり、その逆だったり、年齢を大幅に偽っている人も存在します。
それはイメージ作りのためだったり、個人情報を特定されないようにするためだったり、それ以外の事情があったり、ただ単に何となくという理由もあるかもしれません。

私は昔「なんかカッコイイ」というだけの理由で、自分のプロフィールの詐称をやってみたいと考えたことがあるのですが、憧れつつも結局一度も実行はしませんでした。
そもそも同人をしていた頃は、私は普通にイベントやオフ会に参加していて、普通に名乗って、普通に人前で自分の絵も描いていたので、詐称もクソもありませんでした。

それに、女性向ジャンルやBLを描いていた時は、あえて性別を偽るメリットがあるだろうか?とも思いましたし、BL以外を描いていた時も、結局私の絵自体が「どう見ても女の絵」なので「実は男だったりして!?」みたいなアピールは無理がありました。

たとえば30代後半の頃の私が、ネット上で「20歳の腐男子です」と言って同人活動をしても、私の作品などから本当にそう思ってもらえるかと言うと、それはちょっと苦しいでしょう。
中には完璧に演じきっている人もいるのだろうなと考えると、楽しそうで羨ましいです。

バリバリ男性向な画風でエロ漫画を描いているけど実は女性の描き手さんなどは、性別がバレた時にとても驚かれると言っていて、そういうのを「なんかカッコイイ」と思っていたのですよね。
逆に、作品はいかにも女性が描いたように見えるのに、本人は男性という場合もありました。
本当に正体不明の人はオフの場には一切出てこなくて、とてもミステリアスでした。

そんなギャップやミステリアスな雰囲気を私も手に入れたいと思っていたものの、作品の内容を考えても、普通に交流の場に出向いてしまう自分の習性を考えても、私には難しかったです。
そこは結局、正体を隠すよりも、同ジャンルの人達と会うことを優先したかったのでしょう。

同人を引退した現在も、このブログの趣旨を考えると、私のプロフィールは嘘偽りなく書くべきという結論に落ち着きます。私の同人活動の思い出を正直に語ったら、そこに浮かび上がるのは、本当に同人界隈のどこにでもいる厄介なオタクおばさんの像だけです。

実は男性かも!?とか、正体不明!ミステリアス!という雰囲気からは果てしなく遠いです。
ブログの内容通りの、ドロップアウトして悠々自適に生きている、元同人女です。

なので、無理に現実と違うプロフィールをでっち上げても違和感しかありません。
自分の正体を偽って読者を翻弄するなどというカッコイイ行為は、やはり私には縁の無いことだったのだなと、最近になってようやく納得しました。

ところで個人的には、性別を偽るよりも年齢を偽るほうが難しい気がします。
私が文章だけで自分と同年代のオッサンを演じるのはまだ何とかなりそうですが、もし10代の女子を演じるとなると、自然に出てくる言葉とか、いろいろなものに関するセンスとか、どれほど頑張っても必ずボロが出そうです。見ている側は大笑いで楽しいかもしれませんね。

…ということを、最近改めて考える機会がありました。こういう詐称は、ただのイメージ作りで終わればカッコイイけど、あとから別の問題が出てきた場合は糾弾される可能性もあります。
憧れてはいましたが、実際はよほどの理由が無い限り、正直が一番いいのかもしれません。

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