絵を描いている人は、一枚の絵を描いている最中、完全に無心で手を動かしている人もいれば、いろいろなことを考えながら描いている人もいると思います。
今回は、普通はあまり言語化する機会が無い、絵を描いている時の私の心境を書いてみます。
まず、ちびキャラに挑戦しようと考えて、以下のような線画を描きました。
ちびキャラは、全体のバランスを取るのが大変難しいです。そのバランスにも流行があって、大昔のちびキャラと最近のちびキャラを見比べると、違う点がたくさんあることが分かります。
私の絵は、昭和生まれの私が特に何も考えずに描いたため、かなり昭和臭のするバランスになっていますが、まあ色を塗れば何とかなるやろの精神で、強引に色を塗ってみました。
いや、おかんアートじゃないですか!ますます古臭くなったわ!
そもそも私の絵は全部おかんアートですし、その事実を自分でも受け入れていて、普段はもっと平常心で描いています。でもこの絵はさすがに古臭すぎると感じたので、何が悪いのか真面目に考えてみました。ピンク色がダメなのか?それとも背景が無いほうがいい?と、試行錯誤してみました。
いや、色を変えたり背景を無くしたところで別に変わりませんね…それならもう、最初に直感で塗ったピンク色とピンク背景で良しとしよう!おかんアート上等だ!と腹を括りました。
よく考えずに線画を描いて「色を塗れば何とかなるやろ」と思ったけど何ともならず、色や背景を変えて「何とかなれー!」と思ったけど何ともならないまま、この絵は完成しました。
潔く線画から描き直すべきだったと理解していますが、その根性はありませんでした。
ていうか私の年齢だと、もう「おかん」を通り越して「祖母」なのですよ(´・ω・`)
正しくは「おかんアート」ではなく「ばぁばアート」と呼ぶべきでしょう。
ところで、これは禁句なのかもしれないけど、今の日本は高齢者のほうが人口が多いのだから、ビジネスとしてたくさん売りたいなら、若者より老人にウケる作風にしたほうが、見てくれる人の母数が増えるのでは?それでも若い絵を描きたいと考える人が多いのは不思議だなと感じます。
まあこれは、私の世代の寿命が来たら、またパワーバランスが変わるでしょうけどね。
そんなわけで、絵を描き始めてから完成させるまでの私の心の動きを言語化してみました。
他の絵師さん達にも、こういった脳内エピソードが、それぞれあるのではないかと思います。
上手い人は、もっとカッコイイことを考えながら絵を描いているはずです。
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