私は十代の頃から四十歳になるまでずっと、家族に同人活動を容認してもらっていました。
同人誌を出したりイベントに行ったりしていることを家族はみんな知っていて、イベント会場に車で送り迎えしてもらうこともありましたし、自宅にオタク系の荷物が届いても大丈夫でした。
それなのに、家族に自分の同人作品を見せたことは一度もありませんでした。
よく許されていたなコレ(´・ω・`)
でも、私と同じだという人も実は結構いますよね?良い意味で関心が無い家族というやつで、我が家以外にも「オタ活のことは知っているけど内容は興味無いから聞かない」とか「よく分かんないけど好きなことしたらいいよ」という感じの家族は、知り合いにはわりといました。
もちろん、当時の私にとっては、それはとても有難いことでした。同人活動をしていた間は、干渉されないのをいいことに好き放題やっていて、その状況を当たり前だと思っていましたが、引退して冷静になった時に「よく許されていたなコレ」と真顔になりました。後から考えると不思議だったなと思うのですが、それでも、放っておいてくれたことが有難かったのは確かです。
私は黒字を出すこともできなかったヘタレだけど、たとえ上手くて大手で家計を助けるほど稼いでいる人でも、じゃあその作品を家族に見せられるか?と言われたら、首を縦に振れる人は少ないと思います。他の趣味ではちょっと有り得なさそうなことで、今更ですが特殊な趣味だと感じます。
私は、無事に(?)引退するまで自由に同人活動をさせてもらったことには感謝していますが、それはそれとして、引退した数年後にお絵描きを再開した時は「今後は家族や非オタクの知人にも見せられる絵を描こう」という考えになりました。
小学生の頃は描いた絵を家族にも見せていたので、その頃に戻るような感覚です。
家族にも見せられるものを…と言っていますが、それは決して、自分が本当に描きたいものを隠して取り繕っているのではなく、実際に家族に見せても問題無いような絵しか思い浮かばなくなったというのもあります。まあ、ちょうど良かったのではないでしょうか。
そんな感じで再開した絵も、そこそこ枚数が増えてきたので、ついに先日、家族と親戚に見せてみました。同人活動をしていた頃に描いていたものは全然見せられなかったけど、今はこういう絵を描いていますよ!と、罪滅ぼしみたいな心境で見せました。
反応は「へーすごいねー」という感じでした。良い意味で関心が無い!安心しました。
コメント
こんにちは。
うちも基本的に黙認の方ですね。サイト運営や同人活動の詳細までは知らないと思いますが、絵を描いていることは把握されてます。
普通に親の前でアニメ観てても何も言われてないどころか、「これ好きだっけ?」って情報提供されることもあります。
子としては色々言われるより助かるんですが、極端な反オタクの親の話とか読むとこれいいのか?と思うことはまあまああります。
センシティブ創作については親は自分の創作物に興味ないので、隠す程度です。
ただ、関心を持たれることがあれば、考え直さないといけないですね〜
>ミナトさん
こんにちは。たまに「それでいいのか?」と思う時もあるけど、黙認してくれているのは有難いですよね。実際、反対されていて必死に隠している人は、とても大変だと思います。
私が同人引退を決意して「もうイベントにも行かない」と告げた時は、私がどんなものを描いていたのかも知らないのに「どうして?」と心配されました。
そういうのを思い出して、お絵描きを再開した時は「これからは堂々と見せよう」という心境になりました。私の残りの人生の役目みたいになっています。
サイトやブログに関しても、親戚一同でネットをまともに使っているのは私だけなので、オフ活動よりも未知の世界という感じで、全然興味を持たれていませんね。
こんにちは。
ヒロコさんのご家族の絶妙な距離感が伝わってきて、ほっこりした記事でした。
あれだけたくさん描かれた絵を見せても「へーすごいねー」の一言なのは、すこし物足りないようにも感じますが、気楽な距離感である意味理想的なのではないかと思います。
コメ欄の、ヒロコさんがイベント参加をやめられた時の反応も、興味深いですね。
きっと娘さんが熱中できることがあることそのものが嬉しい、という感じなのではないでしょうか。いいご家族ですね。
絵といえば、最近描かれていた「夏の思い出」というイラスト。
ピンク髪の女の子は幽霊?かなにかなんですかね、ひと夏の不思議な友情に色々な想像が掻き立てられ、少女心がくすぐられました。
夏の終わりのすこし切ない今の時期にぴったりのイラストですね。
>うさぎさん
こんにちは。これに関しては、みんな自分の家庭のことしか分からないでしょうから、他と比べてどのように見えているかというのは、想像するのが難しいですね。
気楽な距離感というのは自覚が無かったのですが、確かにそうかもしれません。
絵に対する反応は、非オタクの人の反応ってだいたいそんな感じだと思います。若い頃、非オタクの友人に私のサイトを少し見られてしまったことがありましたが「なんかよく分かんないけどすごいねー」という感じでした。それ以上追及せずにいてくれて助かりました。
家族だけでなく、友人にも恵まれていたと思います。
「夏の思い出」のピンク髪の女の子は幽霊か何かです。若い頃だったら、イラストに解説を付けていたところですが、今はそんな気力は無いので、解説無しで展示しています。
解説無しで、見た人がどのように解釈してくれるかということに興味を持っています。