同人活動の思い出

同人活動の思い出/同人界隈にインターネットが普及し始めた頃の思い出

ここ数日、このブログのサーバー移転作業に悪戦苦闘していたのですが、先日、ようやく無事に終わりました。同人サイトをしていた頃は、たまにサイトの引越しでアドレスを変更することがありましたが、今回はアドレスは変更しないままサーバーを移転させるという初めての試みでした。

今回のサーバー移転も大変でしたが、個人サイト全盛期も、ネットの知識など全然無かった文系オタク女が、オン活動をしたいという熱意だけでサーバーを借りてサイトを作り、失敗しても上手くいくまで必死に調べてやり遂げていたのは、落ち着いて考えるとすごいことだったなと思います。

私が初めて自分のサイトを作ったのは2000年頃のことです。
同人界隈では、ちょうどその頃に他の人達も次々とサイトを立ち上げていて、同人サイトのリンク集やサーチを運営する人も出てきていました。

当時は「パソコンとかよく分からないからオフ活動だけでいい」と言って、ネットには手を出さない人もいましたし、後にSNSが登場した時と同じように「二次創作を一般人も見られる場所に展示するのはどうなのか?」と苦言を呈する古参もいました。昔の同人サイトのしつこいくらいの注意書き文化は、こういった考えから生まれたと思います。今となっては、すべて遠い過去の話です。

私は、同人界隈にネットが普及し始めた時は、とてもワクワクしていました。
それまでは、作品を見てもらうためには同人誌を作ってイベントに参加するしか方法がありませんでしたが、ネットのおかげで、オフ活動が難しい人でも作品を発表できるようになりました。
いろいろな作品が見られる可能性が広がると同時に、交流にも便利だと期待していました。

そんな折、当時同じジャンルで交流していた人から「サイトを作りたい」と相談されました。
その人は、自分がサイトを作りたいというよりは、彼女の友人達から「サイトを作ってネットでも作品を見られるようにしてほしい」と頼まれて私に相談したとのことでした。
本人は「オフ本だけでいいのでは?」という考えだったので、ネットの知識は私以下でした。

ですが当時の私も、何もかも手探りの状態でした。一応自分のサイトは作ったけど、他人様にかっこいいサイトを提供できるような技術はありません。それでも良ければということで、彼女の家に一晩泊まってサイト作りを手伝いましたが、今思えば、あれは私自身の勉強にもなりました。

四苦八苦した結果、ソースもめちゃくちゃで見た目もクソダサなサイトが出来上がりましたが、とりあえず彼女の小説は読むことができるのでオッケーということになりました。
その後は彼女も自分で勉強して、サイトも徐々に美しくなっていったので非常に安心しました。

しかしまあ、ただ作品をネットで公開したかっただけなのに、死ぬほど勉強するハメになった当時の同人者達って…と、このブログのサーバー移転作業中にふと思い出してしまいました。個人サイト全盛期は今は終わってしまいましたが、いろいろな意味でとても熱くて楽しい時代でした。

もともとは同人のためにネットの勉強をしたのですが、引退した今も、その知識は私の役に立っています。数十年分の何かが自分の中に積み重なっているこの感覚、歳を取らないと味わえません。

コメント

  1. 匿名K より:

    ヒロコさん、こんばんは。
    サーバー移転作業、お疲れ様です。ドメイン名がシンプルで覚えやすくて素敵ですね。
    今回の記事も頷くことが沢山ありました。
    昔はサイトの立ち上げはHTMLやCSSの書き込みが必要で本当にハードルが高かったです。読み専の頃は、ホームページを運営されている人を尊敬して憧れていました。

    自分でも二次創作を始めて、サイトを立ち上げたのは2012年頃だったと思います。憧れと勢いだけで作ろうと思い立ち、ちんぷんかんぷんながらソースを書き込んで無料のスタイルシートやテンプレートを必死で探して作っていました。出来上がったときの達成感や楽しさは今も良く覚えています。取得した知識は仕事でも活かすことができて、とてもためになりました。
    今は管理が楽なワードプレスを使っていますが、テーマにCSSの書き込みをして、自分の好みに変える作業が楽しいです。
    二次創作がスランプ気味のときに、サイトを弄っていると気が紛れます。実生活で行う部屋の大掃除や片付けと同じで、作業は大変でもストレス発散になって終えた後に綺麗になった部屋で気分よく寛げるような、そんな感じです。創作もやる気がでてきます。

    ここ数年で、ジャンルサーチもなくなり、個人サイトはどんどん倉庫化されて創作者さんはSNSに移り、寂しいです。大変で面倒だけど楽しい。個人サイトの良さを広めていければいいなと思っています。

  2. ヒロコ1号 より:

    >匿名Kさん
    こんばんは。このブログはワードプレスですが、私は同人をしていた頃は、サイトは手打ちのHTMLのみでそれ以外の作り方はできませんでした。独自ドメインも、同人を引退してこのブログを始めてから使うようになったので、引退後のほうが進化している感じです。
    今は倉庫になっている私の同人サイトのほうも、一緒にサーバー移転しました。

    昔は素材やテンプレートを配布しているサイトもたくさんありましたが、過去にお世話になっていた素材サイトさんが今は閉鎖されていたりして、やはり時代の流れを感じます。
    サイトを弄るのは作品作りとは違った楽しさがあって、まさにリアルの部屋掃除と同じような感覚ですね。この大変さと楽しさを知る人が減っていくのは寂しいかもしれません。

    でも、もしネットが登場しなければ、そんな勉強をすることも無くアナログ原稿を描き続けていたのだろうなと考えると、なんだか不思議です。その時代に生まれたからこそ体験できたことは貴重だなと、最近は実感しています。個人サイトは、全盛期は終わっても、SNSが合わない人には良い形態だと思うので、今後も無くならないで欲しいと考えています。

  3. ミサキ より:

    こんにちは。以前コメントさせて頂きましたミサキと申します。
    サーバー移転作業、お疲れ様です。

    私も昔、サイトを作るためにHTMLタグやCSSと格闘していたので大変共感しました。
    今のブログ運営にはワードプレスを利用していますが、当時と比べると便利になったなと思いました。学んだHTMLタグも役に立っています。

    ウェブリングやサーチも入り浸っていたのが懐かしいです。
    個人サイト全盛期時代は、サイトのデザインも管理人さんの個性があり楽しんでいた要素の1つでしたね。いつも閲覧していたサイトがリニューアルされ、デザインが変わっていたら、作品が更新された時と同様にワクワクしてました。

    個人サイト時代ならではの良さを思い出しながら、読ませていただきました。

  4. ヒロコ1号 より:

    >ミサキさん
    こんにちは。ワードプレスは使ってみたら便利で驚きました。ワードプレスなども、HTMLやCSSの知識もある状態で利用したほうが、より有効に活用できますね。最初は同人サイトのためだけに学んだHTMLタグが、ここまで後々も役に立つとは思いませんでした。

    ウェブリングやサーチが賑わっていた頃は、毎日好きなサイトの更新をチェックしたり、新規で登録されたサイトを見に行ったりしていました。同カプのサイトが新しく増えた時は大喜びしたものです。好きなジャンルの専門のサーチがあると本当に有難かったです。

    他の人のサイトのデザインが変わった時も、確かにワクワクしていました。
    あれは作品と同じくらい作者の個性が出るので面白いですよね。

タイトルとURLをコピーしました