同人活動の思い出

同人活動の思い出/個人サイト時代も数字の格差はあったという話

昨今、SNSに疲れた創作者に個人サイトをすすめる文章では「個人サイトはSNSと違って数字が気にならない」みたいなことが書かれがちです。私もSNSよりも個人サイトのほうが良いと思っている人間ですが、それでも個人サイトが「数字が全然気にならない場所」だと言われると「そんなことないけど!?個人サイト全盛期の頃の空気をご存じない!?」と反論したくなります。

個人サイトの評価は、SNSと比べると見えにくいけど、完全に見えないわけではありません。
昔の個人サイトも、大手さんのサイトは他のサイトよりもカウンターが多く回っていましたし、同じように掲示板を置いていても、感想の書き込みが多いところと少ないところがありました。

SNSみたいに同じページに並べられて数字を比較されたりはしませんが、同じ界隈で人気のあるサイトとそうでないサイトの格差は自然と感じ取ることができました。
自分のサイトよりも賑わっているサイトを意識して、悔しがる人もいました。
中には気に病みすぎて日記で愚痴ったり、サイトを閉鎖したりする人もいました。

これは、今のSNSで起こっていることとあまり変わらないと思います。
結局、外に向けて作品を発表するなら、他人と比較されることからは逃れられないのです。

今の時代に個人サイトをすすめる時に「数字が気にならない」と言うのは、やはり全体的に見れば今はSNSを使う人のほうが多くて、個人サイトに力を入れる人は少数派だからかもしれません。
今だと個人サイトを作っても、同カプのサイトが他にもたくさんあるということはあまり無さそうなので、クオリティで優劣がついたり解釈違いで喧嘩をする可能性も低いと思います。

総合サーチではなくて、各ジャンル専用のサーチができるほどサイトの数が多くなれば、そこには必ず格差が生まれます。同ジャンルのサイトの中で、人が多く集まるところとそうでないところが出てきます。他人と比較されることは、SNSだけで起こることではないのです。

逆に、もしもSNSが本格的に廃れて、使っている人よりも使っていない人のほうが多くなれば、そこの数字は今よりも無意味になりますし、そもそも見ている人が少ないのだから数字は気にせずやろうという人だけが残って、めちゃくちゃ平和になるかもしれません。

令和時代の個人サイトは「静かでのんびりできる場所」というイメージになりましたが、それは昔もそうだったわけではないのです。もしも今より人が増えれば、騒がしくなってくるはずです。
正直、SNSの数字よりも個人サイトの賑わい具合のほうが正当な評価という感じがするので、そこで同ジャンルの他のサイトに負けるほうがもっと屈辱かもなと私は思います。

コメント

  1. あずさ より:

    ブログの同人関係の話を拝読させて頂きました。
    余計な言及を避ける、少々機械的な文章と冷静さが珍しく面白かったです。主さんのような方はROM専の方が多いと思うので。
    また更新されたら読みに来ます。

  2. ヒロコ1号 より:

    >あずささん
    昔はもう少しフレンドリーな文章だったのですが、今は「言いたいことは言うけど余計なことは言わない」スタイルを目指しています。実現できていたら嬉しいです。
    私は長年、基本的に発信する側で、ROM専の人の心理は実はよく分かっていません。
    ROM専の人からどう見えているかは気になります。またよろしければ来てください。

  3. つきんこ より:

    こんにちはヒロコさん。寒くなってきました。お体ご自愛下さい。
    個人サイトを持つようになって感じたのですが、いま居るところがタグで検索をする、更新したら上に上がる仕様でいわゆるアクセス数が多いからのランキング上位入りみたいなのがないには昔もそうした数字マウントを気にしていた方がいたからなのかと分かりました。
    作品数が増えてからサーチ登録しようと思っていましたが(それでも不思議と反応が来ます。熱心なファンの方が見つけてくれているみたいで)古いサーチのだと確かにアクセス数について反映されるのもありますね。新しいのはほとんどそれがないです。
    サイトによって文章がやたら長くて多かったり絵がごちゃごちゃしているとと大抵スマフォで見るのにこれだと見ずらいのでは?と思ったりして、見てもらうのも工夫が必要だと考えさせられたり。今いるところは学生の日記を見たりすると自分らしさをオリジナルで表現したいとか、好きなものを描いていたいとかそんな感じで更新皆さん頑張っておられるので知らないジャンルあってもそうした姿勢から元気をもらえています。数字マウント仕様がXに流れたからかもですね。悪口デマが拡散されても実際はきちんと市場を拡大しているIPもあるので本当Xって何なのか、ともう見ないとこ考えても仕方ないですけどね。ネット界隈はまず自衛だと構えるのを教えたツールと化したのでしょう。
    のびのび出来る時今個人サイト持てたのは良かったのかも、とそう思いました。

  4. ヒロコ1号 より:

    >つきんこさん
    こんにちは。確かに、昔のサーチはアクセスランキングみたいなものもありましたね。
    私は更新ペースが早かったので、そういうランキングではだいたい上位でしたが、私より上手いけど更新が遅いサイトはランキングに入れなくて、恨まれたこともありました。
    あれもなかなかの火種だったと同時に、数字の無意味さもよく分かる一例でした。

    今のサイトは、スマホで閲覧することを前提にして作らないと、多くの人が見づらくなってしまいます。個人的にこれが一番大変というか、正直面倒くさいと思っています。
    でも、真面目にやっていれば反応をくれる人はいるというのは、今も昔も変わりません。

    数字ばかり気にしていたり、何も考えずにみんなが使っているものを使うような主体性の無い人達がXに流れたおかげで、個人サイト界隈が平和になったと私は考えています。
    Xはそういう人達の隔離施設なので、無くなったら無くなったで、変な人達が他の場所に移動してくるのかと思うと、潰すのも考え物なのかなと悩みます。

    今の個人サイトは、たとえ作るのに手間がかかっても自由にのびのびやりたい人が個人サイトを選ぶという感じなので、ジャンルが違ってもその姿勢が同じだから、平和な空気になるのだと思います。知らないジャンルなら解釈違いで腹が立つとかも無いので、頑張っている管理人さんに純粋に好感が持てるのかもしれないと最近気付きました。

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