私は2015年の終わりに同人を引退しましたが、その後もたまには絵を描いていました。
でも最近は、本当にまったく絵を描かなくなってしまいました。
同人をしていた頃は、ほぼ毎日絵や漫画を描いていて、それが普通の状態でした。
ですが同人をやめてからは、だんだん絵を描く回数が減っていき、現役時代に使っていたペンタブも売り払い、それ以降はスマホのお絵描きアプリを使っていました。
今のところ最後に描いた絵は、FGO第2部5章後編の感想記事(現在は削除しました)に添えたぐだ子の絵で、2020年4月に描いたものです。
実はこの絵、ぐだ子が後ろ姿なのは「どうしても顔を描く気力が湧かなかった」からです。
本当にそういう理由で、後ろ姿しか描けませんでした。しかも背景は、お絵描きアプリに入っていた素材です。昔の私なら自分で描いていたはずです。
私は同人を引退する少し前から、絵を描く作業がダルイと感じるようになってきて、漫画を仕上げるスピードも遅くなってきて、それも引退を決意した理由のひとつでした。
まるで空気が抜ける風船のように、私の気力は無くなっていきました。
それでも、引退直後はまだ「気が向いた時だけのんびり描こう」と思っていて、実際にポツリポツリと描いていました。でもよく考えたら、私は妄想して二次創作をするのが好きだったのであり、絵を描く作業自体がそこまで好きだったわけではありません。
妄想を形にするために絵や漫画を描いていたのだから、妄想をしなくなったら絵を描く気力も無くなっていきました。やがて、まだ少しでも絵を描いていた状態から、次第に「描こうかなと思っても結局面倒だからやめる」というのを繰り返すようになり、現在に至ります。
毎日絵や漫画を描く
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引退して気が向いた時だけ描く
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複数の人物や小物などを描く気力が無いので人物単体だけ描く
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全身絵を描く気力が無いのでバストアップなどだけ描く
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顔を描く気力が無いので後ろ姿だけ描く
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この記事に貼っているぐだ子の絵が最後
という感じです。
私はこのことをとても寂しく思いましたが、本当に気力が無くなったのなら仕方がありません。
それに、絵には描き手の精神状態が表れると言われています。プロの人でも、精神状態が不安定になると、見ていて不安になるような絵に変わってしまうことがあります。
今の私が絵を描いたら、下手とか以前に「精神を病んだ人の絵」のようになるのではないかという気がして、それが怖いのもあって、今は人物の顔を描く気になれません。
ちなみに下手なのは現役時代から下手でしたので、劣化という概念は逆に無いと思います。
万が一、私が絵を描くのを再開したとして、下手なのは今更気にしません。
でも「病んでいる」とか「虚無」みたいな感じの絵になっていたらとてもショックです。
この件でひしひしと感じているのは、昔は気付かなかったけど、絵を描くには本当に膨大なエネルギーが必要なのだということです。今たくさん絵を描いている人は本当に凄いですし、その気力と体力がこれからも続くよう祈っています。
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【追記】2022年11月、予想外の理由でお絵描きを再開しました。2年半のブランクです。
コメント
ヒロコさんこんばんは。
昨日、モチベーションが上がらないのに無理に絵を描こうとして、こちらの記事でいう「虚無」みたいな感じの絵を描いてしまったところだったので、すごくタイムリーなお話でした。
私自身も絵が上手い方じゃないからというのもあるかもしれませんが、絵は「画力」のようなものよりも、絵から伝わってくるオーラのようなもので印象が決まっているなと思います。
でもそういったものってすごく繊細なもので、なかなか気分でどうなるといったものでもありませんよね…。
私は今のところ一時の不調なので心配ありませんが、いつか描けなくなるかもな~と思ったりすることもあります。
そうなると、やはり寂しいですね…私も決して絵を描くのがすごく好き、というわけではないのに不思議です。
一度妄想を形にする喜びを知ってしまうと、なんか他のことも楽しくはあるんですが、創作の代わりにはできないというか…明らかに面倒や苦しい工程の方が多いのに、やらない自分が空っぽのように思えてくるというか。
そう考えると、なんか創作って呪いみたいですね(^▽^;)
いつかヒロコさんの呪いが完全に解かれることを願っています。
私もいつまで描けるかわからないので、今のうちに楽しめるだけ楽しんでおこうと思いました。
>うさぎさん
こんばんは。そうなんですよ。気が乗らないのに無理に描くと、その気分が絵にも表れてしまうもので、それは画力とか技術的な問題とはまた別の話ですよね。
私はプロではないので、描けなくなったのなら普通にやめればいいだけのことなのに、まだ心のどこかに「やめたら自分が消えてしまうような気がする」という呪いのような不安が居座っています。描く気力が無いのに、描かない自分がツライのです。ただの趣味で、上手くもなかったけど、同人活動は自分にとって本当に大事なものだったのだと思い知りました。
他に少しは楽しいことがあったとしても、同人をしていた頃と同じ熱狂はもう手に入らないというのが、今の私の結論です。引退してから、他のことを楽しもうと頑張ってみた時期もありましたが、何をやっても「無理に楽しもうとしている」感じになってしまって、やはり同人をしていた頃と同じ気持ちになれるものは見つからないと諦めがつきました。
そこは諦めがついたので、あとは時間をかけて呪いが解けるのを待ちます。
今の私は空っぽになりましたが、これはこれで私の運命として受け入れようと思います。
うさぎさんは後悔の無いように、最後まで楽しく描いてください。