漫画やアニメやゲームなどでは、女性キャラが驚いたり怖がったりした時は「キャー!」という悲鳴を上げるのが、おおむね一般的な表現ではないかと思います。
私は物心ついた時から多くの作品を見てきて、そのようなシーンも何度も見てきましたが、私自身はこれまで生きてきて一度も「キャー!」と叫んだことがありません。
あの悲鳴は、二次元の美しい女性キャラ(「心は女性」のキャラでも可)が発するからこそ趣があるのであり、リアル人間の私が発してもウザくて興ざめだという認識が幼い頃からありました。
私自身は驚いても怖くても基本的には無言で、万が一声が出ても「うおっ」という感じです。
そんなことを考えていると、ある出来事を思い出しました。
同人をやめて間もない頃、夜道を歩いていたら自転車に激突されたことがありました。
私の右半身に相手の自転車がぶつかって、かなりの衝撃だった記憶があります。
ですが私は、その時ぶつかってきた相手に対して、本当に何の感情も抱きませんでした。
そもそも驚いてすらいなかったので、声も出ないし顔も真顔のままでした。
おそらく同人を引退した直後だったので、何があってもどうでもよかったのでしょう。
同人をしていた頃なら、まだもう少し何かリアクションを取っていた可能性があります。
衝撃はありましたが、真冬の出来事で厚着だったおかげかケガなども無かったので、私は無言で立ち上がって相手をスルーして歩いていき、そのまま普通に帰宅しました。
ここで面白かったのが、相手のほうも完全に無言でノーリアクションだったことです。
夜なので表情は分かりませんでしたが、私が立ち上がって歩き出すまで呆然として硬直していたように見えました。で、私が何も言ってこないと分かると、無言で去っていきました。
…これがもしかして「陰キャ同士の事故」ってやつですか!?(・∀・)
フィクションの物語なら「キャー!」「すみません!大丈夫ですか?」という台詞が出てくる場面のはずですが、現実ではお互いに終始無言で、何事も無かったかのように現場から去るという事態になったわけです。こういった「事実は小説より奇なり」な経験は結構あったりします。
この話はまだ個人的に「ブログで公開してもいいかな」と思ったから書きましたが、もっとヤバイ内容というか、あまり他人に話すべきではない思い出でも、私は内心どんなに驚いても怖くても無言で無表情でした。現在は若い頃よりもさらに無反応な屍になりつつあります。
ただ、私ほどではなくても、あまり悲鳴を上げないタイプの女性は私以外にもいるはずです。
どうしても「キャー!」と叫べない性分の人は、心の中で握手してもらえると嬉しいです。
そもそも、あの金切り声は腹筋を鍛えていないと出せないという話も聞きましたので、筋肉をまったく鍛えていない私には出したくても出せないと考えられます。
可愛いキャラの「キャー!」は、現実にあるようで無いファンタジーの存在ですね。