今の時代は、原稿の入稿も印刷代金の支払いも、家から一歩も出ずに済ませることができます。
でも昔はアナログ原稿を郵送する必要があり、場合によっては直接入稿することもありました。
直接入稿というのは、文字通り原稿を直接印刷屋さんに持って行くことです。
私も、自宅の近所にある印刷屋さんには、直接持って行ったことが何度かあります。
昔はアナログ原稿を封筒に入れて持って行っていました。
デジタル原稿に移行してからは、データを入れたCDを持って行きました。
私のデジタル原稿はモノクロ2階調ではなくグレースケールでしたので、トーンの濃さや薄さはどこまで大丈夫かとか、仕上がりがどんな感じになるかも、印刷屋さんに確認してもらいました。
昔、ホープツーワンさんで印刷してもらった本の裏表紙はこんな感じです。
原稿はグレースケールで、3色刷りです。普通のカラーよりめんどくさかったです。
特にポリシーがあったわけでもないのに、なぜか私はグレースケール原稿を貫き通しました。
変換が面倒とか、そんなしょーもない理由だった気がします。
文字も、コミック用の書体ではなくメイリオで統一していました。これは、自分の漫画に商業誌っぽいフォントを使うことに、何となく恐れ多さを感じていたのかもしれません。
昔のアナログ原稿では、文字は全部手書きか、ワープロで打って出力したものを糊で貼り付けていました(当時はこの作業をドヤ顔で「写植」と言っていたけど写植じゃねーよコレは)今みたいに商業誌と同じフォントを同人誌でも使うようになる時が来るとは、想像もしていませんでした。
私の原稿は不備があったことが一度も無かったので、直接入稿だろうが郵送だろうがデータ入稿だろうが、印刷屋さんから指摘を受けたことは一度もありませんでした。
現役時代に聞いた話によると、原稿に不備があると印刷屋さんから連絡が来るらしいですね。
印刷屋「〇ページの〇コマ目の吹き出しにセリフが入っていないのですが」
作者「あ…ああ、そこは『らめえぇえ!赤ちゃんできちゃううぅ!』って入れてください…」
みたいなやり取りがあるそうで、なんだか楽しそうじゃないですか。不備が無いと、何の連絡も無いまま完成品が届くだけなので、ちょっと寂しいしブログのネタにもなりません。
あと、直接入稿は目の前で原稿を見られるので恥ずかしいという人もいます。
私も、作った本はほとんど全年齢向でしたが、直接入稿をする時は少しだけ緊張しました。
でも今考えると、大量に印刷して売るつもりの原稿なのに、なぜ印刷屋さんに見られるのを「恥ずかしい」と感じたのか、不思議にも思うのです。みなさんはどう思われますか?