同人活動の思い出/ジャンルの掛け持ち、するかしないか?

同人活動をしている人の中には、ひとつのジャンルに集中して活動する人もいれば、複数のジャンルに同時に手を出す人もいます。私は、ひとつのものにハマっている間は他のことを考えるのが難しいタイプだったので、掛け持ちはあまりできませんでした。

今はそうでも無さそうですが、昔は一途なことが美徳とされる空気があったように思います。
複数のジャンルに浮気をしている人よりも、ひとつのジャンルだけを好きでいる人のほうが、同じジャンルで交流している人や読者も安心できるという風潮がありました。

特に昔の女性向ジャンルは「その人の作品だから」ではなく「そのジャンルの作品だから」読むという人が多数派でした。ジャンル内でそこそこ人気があった人でも、違うジャンルを描きだしたらそれまでの読者はあっという間に離れていくという光景を何度も見てきました。

Aというジャンルが好きな人にとっては、イベントでAの本とBの本を1冊ずつ出している人よりも、Aの本を2冊出している人のほうが好印象という場合が多かった気がします。
作者が複数のジャンルを好きになって、それらがたまたま流行ジャンルばかりだと、金目当てかと言われることもありました。

でも実際は「複数ジャンルを扱っている=各ジャンルに対する愛情が薄い」というわけでは決してありません。本人としては、本当に全部大好きだから全部取り扱っているのです。むしろ、ひとつのジャンルで活動するだけで精一杯だった私のほうが、体力の無い人間だったかもしれません。

「あのジャンルもこのジャンルも大好き!イベントでは全部のジャンルで新刊を出す!」なんて言っている超人を見ると、まるで別世界の人のように感じてしまいましたし、私は体力的に無理をすることは決して無かったので、マイペースでひとつのジャンルに取り組むことしかできませんでした。

今振り返れば「もっと気軽に複数のジャンルを同時に楽しんでも良かったかもしれないな」と思うこともありますが、私は私にできることを楽しんだのだから、これで良かったのだとも思います。

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