同人活動の思い出/R18の基準が分からなすぎてR18を描くのをやめた話

昨今、同人イベントでR18本を買う時は、年齢確認のため、サークル側から身分証明書の提示を求められることも珍しくなくなってきました。

ですが昔(1990年代)はサークル側も買う側も意識ガバガバで、性描写があってもR18の表記が無い本もありましたし、年齢確認をしているサークルも見かけませんでした。

2010年頃から突然、年齢確認の徹底やR18の表記について議論されるようになり、イベントでも身分証明書の提示やゾーニングなどが行われるようになりました。
そういう空気になった経緯はここでは割愛しますが、これも同人誌というものがオタク以外の人にも認知されるようになったことが関係していると思われます。

ただ、明らかに年齢制限が必要な作品なら普通にR18にすれば良いだけですが、判断が難しい作品の判断基準については、あまり具体的には説明されなかった記憶があります。当時お世話になっていた赤ブーブー通信社のサイトには「激しい直接描写でなければ、R18とする条例上の必然は無い」という旨の記述がありました(現在はまた文章が変わっているかもしれません)

私が本気で困り果てたのはここです。
まず、私が描いた「Fate/Zero」の龍之介と海魔を見てください。

ここから触手エロが始まったとしても「激しい直接描写」からは程遠いと断言できます。
エロではなくグロを描いても、私が描く内臓なんてまったく「グロ注意」感はありません。

内容はエログロでも、表現がソフトならR18にしなくていいのですか?本当に大丈夫ですか?
同じ内容でも画風によって印象が大きく変わると思うのですが、何を判断基準にするのですか?

私の「全年齢向でもないけどR18と言うほどでもない」作品はどこへ行けばいいのですか?
あと「めっちゃ性器とか描いているけど興奮する要素は皆無のギャグ漫画」はどうなのですか?
さらに「小説は絵が無いから、文章のエロシーンがあってもR18にしなくていい」とか言っている奴もいたけど、お前は何を言っているんだ? …で、結局、訴えられたら死ぬのですか?

………もうめんどくさいので全年齢向だけ描きます!!以上!!!(・∀・)

私は悩み抜いた結果、創作者にあるまじき放り投げ方をして、もうR18自体に関わらないことにしました。もともと歳を取るにつれてR18に対する興味が薄れてきたこともあり、そのまま全年齢向オンリーになり、数年後に同人自体もやめました。

別にこれのせいで同人をやめたわけではありませんが、直接の原因のうちの2%くらいは占めているような気がします。年寄りはもうついていけません。
今はそんなことも考えなくて良くなったので、悩んで熱を出すことも無くなりました。

個人的な好みの話ですが、私は「激しい直接描写」にはまったく萌えられません。
自分が萌える(=未成年に有害)と考えるソフトなエロ表現は「R18にしなくてもいい」などと言われて、R18として頒布するのなら激しいものを描かなければいけないような空気ができて、もう何を描いて誰に頒布すればいいのか全然分からなくなりました。

分からなくてキレた結果「自分が萌えるエロ」は脳内だけで楽しむことにしました。

汁だく&リアル&修正入れまくりの「ザ・成人向」なものにきちんと年齢制限をつけるか、完全に全年齢向かのどちらかでないと、存在するのは難しくなりました。
視覚的にエロくなくても内容がエロならR18では?という私の考えと、リアルなエロ描写こそがR18という世間の空気がかみ合わなかっただけのことです。

余談ですが「同人はR18のほうが売れる」みたいなイメージがあるかもしれませんが、それは人によります。エロ本よりもギャグ本のほうが売れる作者さんもいます。
私もエロの有無は売り上げと関係なかったし、2010年頃から頒布する時に死ぬほど悩むようになってからは、R18は取り扱いが面倒で疲れるものというイメージしかありません。

そんな私はちょっと考えすぎだったかもしれませんが、逆にどう見てもR18なものを表記なしで頒布して、苦情が来たら「私の感覚ではたいしたことないのに~」みたいな、過激なものに慣れてますアピールをする奴はウザすぎてつらいと思っていました。

昔はね。今はもうやめたからどうでもいいです。同人って大変ですね(他人事)

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