昔の同人サイトの文化のひとつに「バトン」というものがありました。
ジャンルに関するいくつかの質問が「バトン」として出回っていて、誰かがサイトの日記などでその質問に答えたあと、次に同じ質問に答えて欲しい人を5人指名します。
指名された人は同じ質問に答えて、また別の5人に回していくというものでした。
よく考えてみたら、最初にそのバトンを作った人が誰なのかは分からないまま回していたので、今振り返るとやや不気味です。なんだか「不幸の手紙」っぽくもありますが、別に次の人に回さなくても不幸にはならないルールでしたので、質問には答えたけど次には回さない人(「アンカー」と言っていました)や、5人も回す人がいないので1人だけに回すという人もいました。
だいたい「このキャラのイメージソングは?」などという質問が多かった気がします。
イメージソングとは公式のものではなく、自分の脳内で勝手に当てはめている曲です。
オタクではない人からすれば意味不明かと思いますが、ご了承ください。
同人サイトにおけるバトンは2005年頃に登場しました。
元ネタは海外の「Musical Baton」というもので、音楽に関する質問を回すバトンなのですが、これが同人界ではオタクの妄想に関する質問にすり替えられてしまったということです。
バトンはサイトの日記やブログで答えることが多くて、私も日記で回答していましたが、その日記は今は削除してしまったので、例として見せられるものが無いのが残念です。
ただ、日記でバトンの回答をして、次に回す人の名前を書いても、相手がその日記を見ていなければバトンはそこで止まってしまいます。「あなたのサイトいつも見てます!」とか言いながら実は見てなかった人がバトンに気付かなくて、死ぬほど気まずくなったという悲しい事件も後を絶ちませんでした。同人の交流にもマメさと誠実さは必要です。
そういうのが面倒だから誰とも交流しないという人もいましたし、同人は他人と交流しなくてもひとりでできる趣味ですが、若い頃の私はバトンなども楽しんでいました。
何もかも懐かしいので、覚えているうちに記録しておこうと思います。
コメント
ヒロコ1号さん、こんばんは。たびたびお邪魔いたします。
バトン懐かしいです。「アンカー」という言葉は、こちらのブログを読んで思い出しました!私は「絵師バトン」とかに回答したような気がします。
>「あなたのサイトいつも見てます!」とか言いながら実は見てなかった人がバトンに気付かなくて、死ぬほど気まずくなったという悲しい事件
これは起こりがちなので、それなりに気を遣っていた覚えがあります。回す人を指名する際「スルー可です」と書き添えてお互いに傷つかないようにしたり、どんなバトンをもらっても「アンカーです」を通す人もいた気がします。流行りのバトンだと、同じものが複数人から回ってくることもあったような…。面白い内容のバトンであれば、指名されてなくても、アンカーの人の日記を見て「バトンが落ちてたので拾ってきました」と自主的に回答してる人もいました。
その当時いたジャンルが懐かし系で、年齢層がわりと高かったせいか、今思い出してみるとマナーや人間関係への気配りが上手な方が多かったです。私はまだ若くて至らない点が多かったので、ジャンル内の先輩方を尊敬していて、マナーなども真似していました。とても懐かしいです。
>マロンヌさん
こんばんは。私は基本的に「アンカーです」で通す派でした。
語りたがりな人ならバトンを回しても喜んでくれそうですが、一方で面倒に感じる人もいるのではないかと考えると、そんなに気軽には指名できなかった記憶があります。
ジャンルによって、そこにいる人たちの空気がまったく違うのも面白いですよね。
年齢層が高かったり低かったり、女性しかいなかったり男性もそこそこいたり…いろんなジャンルを渡り歩いていると、サイトを見てもいないのに「見てます!」と言ったり、誰に対しても「大好きです!」と言う人と出会うこともありましたが、私には理解不能でした。
このバトンの話もそうですが、いいかげんな事を言っていると、必ずあとで気まずい思いをしたり相手を不快にさせる時が来ます。それを避けようと気を使える人なら大丈夫です。